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問1の答
E1 : (5) E3 : (1)
●1 図1中の反応1(酵素E1)では
L-チロシン (C9H11NO3) → 化合物 I (C9H11NO4) …(i)
式(i)を考慮すると, 酸素原子が1個増加している。そこで, 次の反応(ii)が考えられる。
HO-C6H4CH2CH(COOH)-NH2(L-チロシン) → (酸化) → HO-C6H3(OH)CH2CH(COOH)-NH2(化合物 I) …(ii)
したがって, 式(ii) および L-チロシンとアドレナリンの構造式を参照して, 反応1では, L-チロシン中のベンゼン環が酸化される。ただし,
L-チロシン構造式中のCH2基が酸化されてCH(OH)になると, 不斉炭素原子が生じ, 以下の各反応による生成物は全て不斉炭素原子を持つことになる。
●2 図1中の反応2(酵素E2)では
化合物 I (C9H11NO4) → 化合物 J (C8H11NO2) + d(CO2) …(iii)
式(iii)を考慮すると, 脱二酸化炭素が行われている。そこで, 次の反応(iv)が考えられる。
HO-C6H3(OH)CH2CH(COOH)-NH2 (化合物 I) → (脱CO2) → HO-C6H3(OH)CH2CH2-NH2(化合物 J) …(iv)
●3 図1中の反応 3(酵素E3)では
化合物 J (C8H11NO2) → 化合物 K (C8H11NO3) …(v)
式(v)を考慮すると, 化合物 J は酸化され酸素原子が1個増加している。そこで, 図1中の最終生成物のアドレナリンの構造式を参照すると,
次の反応(vi)が考えられる。
HOC6H3(OH)CH2CH2NH2 (化合物 J) → (酸化) → HOC6H3(OH)CH(OH)CH2NH2 (化合物 K) …(vi)
したがって, 化合物 J は酸化され第二アルコール K が生成された。
問2の答 二酸化炭素
問1の解説●2(iii)を参照すると
化合物 I (C9H11NO4) → 化合物 J (C8H11NO2) + d(CO2) …(iii)
問3の答
J 構造式
(image530)
● 問1の解説●(iv)を考慮すると, 化合物 J は不斉炭素原子を持たない。化合物 I, J, K の示性式は, 問1の解説を参照すると,
次のようになる。ただし, C*は不斉炭素原子を表わす。
化合物 I …HOC6H3(OH)CH2C*H(COOH)NH2
化合物 J …HOC6H3(OH)CH2CH2NH2
化合物 K …HOC6H3(OH)C*H(OH)CH2NH2