8章C 類題3-2(131120) TOP-C
[問題] 今をさかのぼること百年ほど前, C大学にゆかりのある科学者が, 生命現象を化学の視点から理解することに重要な寄与をした。次の文を読み,
問1~4に答えなさい。
[文] 池田菊苗は昆布のうま味成分がL-グルタミン酸ナトリウムであることを明らかにし, 味覚の1つとして「うま味」を提唱した。L-グルタミン酸(アミノ酸F)は,
小麦に含まれるタンパク質を加水分解することで得られるアミノ酸混合物から分離精製することができる。
この方法として, アミノ酸の側鎖の構造を反映して変化する( a )の違いを利用する電気泳動や, 溶質とイオン交換樹脂の相互作用を利用するクロマトグラフィーなどがある。アミノ酸Fをアミノ酸混合物から精製する2つの実験を行った。
実験1 : 図1に示すアミノ酸F, G, H の混合物からアミノ酸Fを分離するためにpH( b )の緩衝液を用いて電気泳動を行ったところ, アミノ酸Fのみが( c )側へと移動した。
実験2 : 図2に示すように, スルホ基をもつポリスチレン樹脂(イオン交換樹脂)①を円筒形のカラム②につめ, アミノ酸F, G, H の混合物の希塩酸水溶液(pH2.0)を流した(操作1)。ついで, pH4.0 の緩衝液(操作2), pH7.0 の緩衝液(操作3), pH11.0 の緩衝液(操作4)を順に流し, それぞれの操作における溶出液を三角フラスコ④
A~C に集めた。フラスコの内容物を分析するとアミノ酸Fはある1つの三角フラスコにだけ含まれていた。
(image528)
ここで, 図1において, 構造式の表記法で, 不斉炭素原子に結合したHは紙面の奥に, NH2は紙面の手前にある。また, 図2において, ①はイオン交換樹脂, ②はカラム, ③はフィルター, ④は三角フラスコを表わす。
問1 ( a )にあてはまる適切な用語を記しなさい。
答
問2 ( b )および( c )にあてはまる適切な数字および用語の組み合わせを, 下記の選択肢(1)~(6)の中から選びなさい。
(1) 4.0 陰極 (2) 7.0 陰極 (3) 11.0 陰極
(4) 4.0 陽極 (5) 7.0 陽極 (6) 11.0 陽極
答
問3 下線部に関して, 実験2における操作1を行った後に, アミノ酸Fがイオン交換樹脂に吸着している様子を構造式で示しなさい。なお, イオン交換樹脂の構造式は図3のようにベンゼン環とスルホ基だけを示せばよい。また,
吸着しているアミノ酸の構造は図1にならって示しなさい。
答
問4 三角フラスコ B および三角フラスコ C に含まれるアミノ酸の記号をそれぞれ記しなさい。なお, アミノ酸が含まれない場合には「無」と解答すること。
答