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問1の答.　　　下図のE

　酢酸(CH3COOH)とプロピオン酸(CH3CH2COOH)が, 脱水によって縮合すると, 下式のように, 混合酸無水物(E：CH3CO-O-COCH2CH3)が生成される。

　　CH3COO-H + HO-COCH2CH3 → CH3CO-O-COCH2CH3 + H2O


問2の答.　　　下図のF

　酢酸2分子が縮合すると, 下式のように, 無水酢酸(D：CH3CO-O-COCH3)が生成される。

　　CH3COO-H + HO-COCH3 → CH3CO-O-COCH3 + H2O

　ここで, 無水酢酸(D：CH3CO-O-COCH3)に 2倍の物質量のプロピオン酸カリウム(CH3CH2COOK)水溶液を加え加熱すると, 次のように無水酢酸のアセチル化作用で, まず, 次第に化合物(E：CH3CO-O-COCH2CH3)が生じる。

　　CH3CO-O-COCH3 + CH3CH2COOK + H2O → CH3CO-O-COCH2CH3 + KOH

　さらに加熱を続けると, 残りのCH3CH2COOKが生成物(E)と次にように反応し, 化合物(F：CH3CH2CO-O-COCH2CH3)も生成しはじめる。

　　CH3CH2COOK + CH3CO-O-COCH2CH3 → CH3CH2CO-O-COCH2CH3 + CH3COOK


問3の答　　化学平衡

　　問2の反応は右側方向へ完全に進行した場合である。長時間の反応では, 一部, 右側方向へ進行し化学平衡に達することになるので, 無水酢酸が完全に消費されることはない。


問4の答　　下図のJ, K

　酸無水物の化合物(E)と2-メチルペンタン-1,5-ジアミン(H2NCH2CH(CH3)CH2CH2CH2NH2)は, 「アルコールやアミンと温和な条件で反応し, それぞれエステル化合物やアミド化合物を与える」ことから, 次のように反応する。ただし, 反応式中の有機化合物の水素原子は省略してある。

　(1)　2C-CO-O-CO-C-C + N-C-C(C)-C-C-C-N + 2KOH →

　　　　　　　　　　　　C-CO-N-C-C(C)-C-C-C-N-CO-C + 2C-C-COOK + 4H2O

　(2)　2C-CO-O-CO-C-C + N-C-C(C)-C-C-C-N + 2KOH →

　　　　　　　　　　　　C-CO-N-C-C(C)-C-C-C-N-CO-C-C + C-COOK + C-C-COOK + 4H2O

　(3)　2C-CO-O-CO-C-C + N-C-C(C)-C-C-C-N + 2KOH →

　　　　　　　　　　　　C-C-CO-N-C-C(C)-C-C-C-N-CO-C + C-COOK + C-C-COOK + 4H2O

　(4)　2C-CO-O-CO-C-C + N-C-C(C)-C-C-C-N + 2KOH →

　　　　　　　　　　　　　C-C-CO-N-C-C(C)-C-C-C-N-CO-C-C + 2C-COOK + 4H2O

　以上の反応式(1)〜(4)の生成物で, 有機溶媒に溶けて有機層に存在するアミド結合を有する 4種の化合物 (I), (J), (K), (L) は次のようになる。

　　C-CO-N-C-C(C)-C-C-C-N-CO-C

　　C-CO-N-C-C(C)-C-C-C-N-CO-C-C

　　C-C-CO-N-C-C(C)-C-C-C-N-CO-C

　　C-C-CO-N-C-C(C)-C-C-C-N-CO-C-C

　4種の化合物の中で, 分子量が同じ化合物 J, K は,

　　C-CO-N-C-C(C)-C-C-C-N-CO-C-C,　　C-C-CO-N-C-C(C)-C-C-C-N-CO-C


問5の答　　下図のG, H

　問4の解説の反応式(1)〜(4)の生成物を参照すると, 水に溶けて水層に存在する有機化合物はカルボン酸のカリウム塩であることがわかる。
　したがって, G, H は酢酸カリウム CH3COOK とプロピオン酸カリウム CH3CH2COOKのいずれかに相当する。

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