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問1の答
手順1の水溶液体積を量り取る器具 : ホールピペット。
手順5の水溶液の滴定体積を量り取る器具 : ビュレット。
問2の答
5CaC2O4 + 2KMnO4 + 3H2SO4 → 2MnSO4 + CaSO4 + 10CO2 + 8H2O
● 酸化還元反応において, シュウ酸カルシウムと硫酸の塩・強酸反応で生成された弱酸のシュウ酸 H2C2O4 は還元剤として作用するので, その反応式は,
H2C2O4 → 2CO2 + 2H+ + 2e- …(i)
一方, 硫酸酸性の過マンガン酸カリウム KMnO4 は酸化剤として作用するので,
KMnO4 → K+ + MnO4-
MnO4- + 8H+ + 5e- → Mn2+ + 4H2O …(ii)
ここで, 酸化還元反応では電子授受で電子数が等しいことから, (i)×5 + (ii)×2 が成立する。
よって, (i)×5 + (ii)×2 により 1つの式にまとめると,
5H2C2O4 + 2MnO4- + 16H+ + 10e- → 10CO2 + 10H+ + 10e- + 2Mn2+ + 8H2O
5C2O42- + 2MnO4- + 6H+ → 10CO2 + 2Mn2+ + 8H2O
よって,
5H2C2O4 + 2KMnO4 + 3H2SO4 → 2MnSO4 + K2SO4 + 10CO2 + 8H2O
Ca2+ を含めると,
5CaC2O4 + 2KMnO4 + 3H2SO4 → 2MnSO4 + CaSO4 + 10CO2 + 8H2O
問3の答
無色に近い紅色からわずかに紫色になる。
● 紫色のMnO4-は酸化還元でわずかな紅色のMn2+になることを考慮すると, 下線部Aの滴定では, 三角フラスコに入っている無色のシュウ酸水溶液に, 紫色のMnO4-がビュレットから滴下されると, 最初は酸化還元反応で紫色が瞬間的に消えるが, 滴定の終点をわずかに超えたところでは未反応のMnO4-が残るため, 薄い紫色が消えなくなる。
問4の答 447 mg
● 過マンガン酸カリウム KMnO4 水溶液の滴定量は, 失敗した 1回目を除いて 2回目〜5回目を平均すると,
(4.47 + 4.45 + 4.44 + 4.48)/4 = 4.46 ml
4.46 ml の物質量は, 過マンガン酸カリウム KMnO4 水溶液の濃度が 1.00×10-2mol/L であるので,
4.46×(1.00×10-2/1000) = 4.46×10-5 mol
問3の解説を参照すると, シュウ酸カルシウムと硫酸酸性の過マンガン酸カリウムの酸化還元反応の式は次のようになる :
5CaC2O4 + 2KMnO4 + 3H2SO4 → 2MnSO4 + CaSO4 + 10CO2 + 8H2O
上式において, 5 mol の CaC2O4 が 2 mol の KMnO4 と反応しているので, いま CaC2O4 の濃度を C mol/L とすると,
C = (4.46×10-5)×(5/2)×(1000/10) = 11.15×10-3 mol/L
水溶液試料 1.00L 中に含まれる Ca2+ の質量 W mg は, 原子量 Ca = 40.1を使用して
W = 40.1×(11.15×10-3)×1000 = 447 mg
問5の答の答
沈殿が荒目のろ紙と多量の冷水使用で流出と同時に溶出した。
● Ca2+の分析値が真の値より小さくなる場合は, 「完全に沈殿させたシュウ酸カルシウムをろ紙上で冷水によって洗浄した」ことを考慮すると, シュウ酸カルシウムの沈殿物が次のような原因でろ紙上から流出と同時に溶出したと考えられる。
(i) ろ紙の網目状の穴の径が沈殿物粒子の径より大きいため流出した。
(ii) 多量の冷却水を使用するため加水分解して溶出した。
問6の答
不十分な洗浄で余分のシュウ酸イオンが沈殿物中に残った。
● Ca2+の分析値が真の値より大きくなる場合は, 「沈殿をつくるためにシュウ酸アンモニウム (NH4)2C2O4 を使用した」ことを考慮すると, 沈殿物の洗浄が不十分であると, 余分のシュウ酸イオンが沈殿物中に残るため酸化還元の滴定に誤差を生じ, Ca2+の分析値が真の値より大きくなると想定される。