5章C 類題1-1(100704) TOP-C
[問題] 次の文章を読んで, 問1〜4に答えなさい。必要があれば以下の値を用いなさい。
原子量はH=1.0, C=12.0, O=16.0, 気体定数はR = 8.3 [Pa・m3・K-1・mol-1], 27℃の水の飽和蒸気圧は3.5×103Paとする。答は, 結果だけでなく, 答に至る過程も示しなさい。気体は全て理想気体とし, 液体の体積および液体に対する気体(H2, O2, CO2)の溶解は無視できるものとする。
近年, メタンハイドレートと呼ばれるメタンの水和物が, 日本近海の海底に多量に存在することが明らかになった。メタンハイドレートは水分子とメタン分子とからなる氷状の固体結晶である。高濃度にメタンを蓄える性質から「燃える氷」としても知られており,
新しいエネルギー資源としてその有効利用に大きな期待が寄せられている。
水中における水分子は, 水素結合によって周りの水分子と会合し, 分子の集団を形成する。このような分子の集団はクラスターと呼ばれる。液体の水を冷却すると,
水分子間の水素結合が切断されにくくなるため, クラスターのサイズが大きくなり, やがて氷の結晶へと成長する。
水中にメタンのような疏水性分子が存在すると, 水分子は疏水性分子を取り囲むようにしてクラスターを形成する。メタンハイドレートの結晶では, 水分子がメタン分子の周りを「かご」状に取り囲んだ構造をとることが知られている。
このようにして, メタン分子と水分子からハイドレートが形成され, 全体としてエネルギーが低下する。以下では, メタンハイドレート(固体)の組成比は,
メタン:水 = 4:23, またメタンハイドレート(固体)の密度は0.91g/cm3とする。
問1. メタン(気体)と水(液体)からメタンハイドレート(固体)が生成する反応は, 低温・高圧ほど有利である。その理由をルシャトリエの原理に基づいて80字以内で説明しなさい。
答
問2. 次の式を用いて, メタンハイドレート(固体)の完全燃焼を熱化学方程式で記しなさい。ただし, 式中でメタンハイドレートは(H2O)23・4CH4(固)で表す。また, 燃焼後の水は全て液体とする。
(H2O)23・4CH4(固) = 4CH4(気) + 23H2O(液) + Q1[kJ] (1)
C(黒鉛) + 2H2(気) = CH4(気) + Q2[kJ] (2)
C(黒鉛) + O2(気) = CO2(気) + Q3[kJ] (3)
H2(気) + (1/2)O2(気) = H2O(液) + Q4[kJ] (4)
答
問3. 容積 1.0×103 cm3 の密閉容器を0℃で 5.1×104 Pa の酸素で満たし, その中に体積 1.0 cm3 のメタンハイドレート(固体)を入れ, 完全燃焼させた。燃焼後に容器内に存在する水の物質量[mol]を有効数字2桁で求めなさい。
答
問4. 問3における燃焼の後, 密閉容器を 27℃に保ち, 平衡状態にした。このとき, 容器内の圧力[Pa]を有効数字2桁で求めなさい。
答