4章C 類題2-2(100215)                 TOP-C


[問題] 次の文を読んで下の各問いに答えなさい。答の数値は有効数字2桁とする。

 元素の多くは, 複数の同位体が一定の比率で混ざった状態で天然に存在する。表1-1に, 天然に存在する主な元素の同位体とその存在比(%)をまとめた。

                             表1-1

             元素 C… 同位体 12C:存在比 99%, 同位体 13C:存在比 1%
             元素 N… 同位体 14N:存在比 100%
             元素 O… 同位体 16O:存在比 100%
             元素 Br… 同位体 79Br:存在比 50%, 同位体 81Br:存在比 50%
             元素 Ag… 同位体 107Ag:存在比 50%, 同位体 109Ag:存在比 50%

これらの元素から構成される分子の質量は, 各元素の同位体存在比を反映した分布を示す。例えば天然に存在する二酸化炭素分子の質量分布は, 表1-2のようになる。ただし, 各同位体原子の相対質量はその質量数と同じものとし, 分子の質量はその分子を構成する各原子の相対質量の和で表せるものとする。

                             表1-2

                        質量 44 存在比(%) 99
                        質量 45 存在比(%) 1

問1. 銅は, 63Cuと65Cuの2つの同位体がある一定の比率で混ざった状態で天然で存在する。天然に存在する63Cuと65Cuの同位体(%)を求め, 表1-1にならって記しなさい。ただし, 銅の原子量は 63.5 とする。

                     

問2. 天然の同位体比の原子で構成された硝酸銀水溶液Xがある。ここに, 天然の同位体比の原子で構成された臭化ナトリウム水溶液を添加し, 臭化銀を沈殿させた。沈殿した臭化銀の質量分布を表1-2にならって記しなさい。ただし, 臭化銀はその組成式であるAgBrとして沈殿したものとする。

                     

問3. 問2と同じ硝酸銀水溶液Xに, 銀原子として109Ag のみを含む0.050 mol/l の硝酸銀(109AgNO3)水溶液10.0mlを添加した後, 問2と同じ臭化ナトリウム水溶液を添加し, 臭化銀を沈殿させた。沈殿した臭化銀の質量分布を測定したところ, 表1-3に示す結果が得られた。硝酸銀水溶液Xに含まれていた硝酸銀の物質量(mol)を求めなさい。

                             表1-3

                        質量 186 存在比(%) 20
                        質量 188 存在比(%) 50
                        質量 190 存在比(%) 30