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問1の答

  元素Cu…同位体 63Cu:存在比 75%, 同位体 65Cu:存在比 25%


天然に存在する63Cuと65Cuの同位体の存在比(%)を, それぞれ x%, y%とすると, 銅の原子量 63.5を使って, 次式が成立する。

                       x + y = 100 …(1)
                       (63x + 65y)/100 = 63.5 …(2)

(1)と(2)から,

                       63x + 65(100 - x) = 6350
                       2x = 150

よって,
                         x = 75 %, y = 25 %

                        質量 63 存在比(%) 75
                        質量 65 存在比(%) 25


問2の答

          質量 186 存在比(%) 25

         質量 188 存在比(%) 50


          質量 190 存在比(%) 25


沈殿した臭化銀AgBrの中の原子の同位体は, 銀では107Ag(50%)と109Ag(50%), 臭素では79Br(50%)と81Br(50%) であるので, 臭化銀は次の4種類となる。

                (1) 107Ag79Br, (2) 107Ag81Br, (3) 109Ag79Br, (4) 109Ag81Br

硝酸銀水溶液X中の同位体の銀イオンと添加する臭化ナトリウム水溶液中の同位体の臭化物イオンは等物質量存在している。よって, この2つの水溶液を混合した場合, 生じる4種類の沈殿臭化銀の物質量は, 全て同じ値になる。

                      (1) 質量 186 存在比(%) 25
                      (2) 質量 188 存在比(%) 25
                      (3) 質量 188 存在比(%) 25
                      (4) 質量 190 存在比(%) 25

表1-2にならってまとめると,

                        質量 186 存在比(%) 25
         
              質量 188 存在比(%) 50
                        質量 190 存在比(%) 25


問3の答     2.0×10-3 mol


●銀原子として109Ag のみを含む0.050 mol/l の硝酸銀(109AgNO3)水溶液10.0ml中の銀イオンの物質量は

                       0.05×10/1000 = 5.0×10-4 mol

これに, 臭化ナトリウム水溶液を添加すると, 沈殿する臭化銀の物質量は,

               質量188の109Ag79Brは (5.0/2)×10-4 = 2.5×10-4 mol 
               質量190の109Ag81Brは (5.0/2)×10-4 = 2.5×10-4 mol

硝酸銀水溶液Xから生じる臭化銀を, 質量186のものを a [mol], 質量188のものを b [mol], 質量190のものを c [mol]とすると, 硝酸銀水溶液Xに, 0.050 mol/l の硝酸銀(109AgNO3)水溶液10.0mlを添加した混合溶液から生じる臭化銀の物質量は,

                  質量186の107Ag79Br : a mol
                  質量188の107Ag81Brと109Ag79Brの合計 : (b + 2.5×10-4) mol
                  質量190の109Ag81Br : (c + 2.5×10-4) mol

よって, 表1-3を参照して, 次式が成立する。

          a + (b + 2.5×10-4) + (c + 2.5×10-4) = a + b + c + 5.0×10-4

          0.2 = a/(a + b + c + 5.0×10-4)
          0.5 = (b + 2.5×10-4)/(a + b + c + 5.0×10-4)
          0.3 = (c + 2.5×10-4)/(a + b + c + 5.0×10-4)

          0.2b + 0.2c - 0.8a = -0.0001  …@
          0.5a - 0.5b + 0.5c = 0 …A
          0.3a + 0.3b - 0.7c = 0.0001 …B

ここで, 問2の答えを参照して, 次の関係がある。

          b = 2a, a = c

よって, @から,

          0.4a + 0.2a -0.8a = -0.2a = -0.0001

          a = 0.0005 mol, b = 0.0010 mol, c = 0.0005 mol …C

Aは, Cにおいて,

          0.5a - 0.5b + 0.5c = 0.5(a - b + c) = 0.5(0.0005 - 0.0010 + 0.0005) = 0

Bは, Cにおいて,

     0.3a + 0.3b - 0.7c = 0.3×0.0005 + 0.3×0.0010 - 0.7×0.0005 = 0.00045 - 0.00035 = 0.0001

以上から, 硝酸銀水溶液Xに含まれていた硝酸銀の物質量(mol)は

質量186の107Ag79Br : a = 0.0005mol → 質量169の107AgNO3 : 0.0005mol

質量188の107Ag81Brと109Ag79Brの合計 : b = 0.0010 mol →
                  質量169の107AgNO3と質量171の109AgNO3の合計 : 0.0010mol

質量190の109Ag81Br : c = 0.0005mol → 質量171の109AgNO3, : 0.0005mol

よって, 全て合わせて,
                       硝酸銀は0.002 mol