4章C 類題1-2(100201) TOP-C
[問題] 次の文を読んで下の各問いに答えなさい。ただし, 原子量はH:1.0, C:12.0, 有効数字は2桁とし, 熱化学反応はすべて25℃, 1.01×105Paにおける熱量および物質の状態を扱うこととする。
廃棄プラスチックの有効利用法の一つに, プラスチックを焼却したときに発生する熱をエネルギーとして利用する方法がある。@CnH2n+2の組成式で与えられるアルカンの燃焼熱(1molあたり)は炭素数nが増すにつれて増加する。しかし, 図1に示すように, 1gあたりに換算した燃焼熱はnの増大と共に一定値に近づく傾向がある。ACnH2nの組成式で与えられるシクロアルカンの場合, n≧5では1gあたりの燃焼熱は, nによらず46〜47 kJ/gで一定である。これらのことは, nが5から12程度のアルカンやシクロアルカンを主成分とする石油系燃料と,
nが極めて大きいアルカンであるBポリエチレンおよびCポリプロピレンでは, 同質量あたり燃焼熱はほとんど変わらないことを意味する。
(image282)
問1. 下線部@に関して, アルカンCnH2n+2の燃焼の熱化学方程式を書きなさい。ただし, アルカン1gあたりの燃焼熱を状態によらず46.0 kJ/gとする。
答
問2. 燃焼熱は結合エネルギーの値から近似的に求めることができる。下線部A, Bに関連して, シクロオクタン C8H16 およびポリエチレンのそれぞれの, 1gあたりの燃焼熱を, 表1を用いて推定しなさい。ただし, ポリエチレンの分子式は H-[-CH2-CH2-]m-H とし, その重合度mは10,000とする。
表1. 結合エネルギー(kJ/mol)
C-H : 4.1×102 C-C : 3.7×102 C=O : 8.0×102 O=O : 5.0×102 O-H : 4.6×102
答
問3. 下線部Cのポリプロピレンの原料であるプロピレンは, 以下の長鎖アルカンの分解反応によって合成される。
CnH2n+2 → CH2=CH-CH3 + Cn-3H2n-4
プロピレンの燃焼熱が2.04×103 kJ/molであるとき, この反応の反応熱を求めなさい。炭素数nと炭素数n-3のアルカンの燃焼熱は問1で求めた熱化学方程式中のものとする。
答
問4. プロピレンは, 以下のプロパンの脱水素反応によっても合成できる。
CH3-CH2-CH3 → CH2=CH-CH3 + H2
プロピレンとプロパンの燃焼熱が, それぞれ 2.04×103 kJ/mol と 2.20×103 kJ/mol であるとき, この反応の反応熱を求めなさい。必要あれば, 水に関する熱量として表2の値を用いなさい。なお, 表2中の各熱量は圧力によらないものとする。
表2. 水に関する熱量(kJ/mol)
融解熱(0℃) 6.02 蒸発熱(25℃) 44.3 蒸発熱(100℃) 40.6 生成熱(25℃, 気体) 242
答