3章C 類題3-1(0080919)           TOP-C 


[問題] 次の本文について下の各問いに答えなさい。必要あれば次の値を用いなさい。原子量において, H=1.00, C=12.0, O=16.0

有機化合物において, 分子式は(ア)でも構造が(イ)ために物理的・化学的性質が(イ)物質が複数個生じる場合がある。この複数個の物質は互いに異性体の関係にあるという。その異性体の分類は, 1つの方法として, 次のように大きく分けて3つになる。
1. 構造異性体…1つの分子式で表される分子の原子間の結合を(ウ)(エ)上に(オ)的に描くと異なった構造式が生じる場合に相当する。
2. 互変異性体…1つの分子式で表せる分子が炭素原子間に(カ)結合を有し分子中の1個の水素原子などの(キ)位置が違うと異なった構造式が生じる場合に相当する。
3.立体異性体
幾何異性体…有機化合物の炭素原子間の(ク)結合を挟んで結合する(ケ)の配置で異なった構造式の(コ)が生じる場合に相当する。
光学異性体…分子に(サ)炭素原子(4価の炭素原子に4個の(イ)原子または原子団結合)があると、実像と(シ)の関係にある一対の(ス)体(右手と左手の関係)の分子が存在する。この2種の分子に直線偏光が当ると、各々の分子において、その光の偏光面が右旋性の回転(セ)をするか左旋性の回転(ソ)をするいわゆる(タ)活性となる。この2つの分子は光学異性体の関係にあるという。
その他(上の幾何と光学の異性体以外で(チ)(ツ)などによって生じる立体異性体)

問1上の本文の(ア)~(ツ)に最も適した語句を入れなさい。

                                 

問2. 次の①~④の各物質は, 構造, 互変, 光学, 幾何のどの異性体の関係に属しますか。

     ①マレイン酸とフマル酸 ②d-乳酸とl (エル)-乳酸 ③1,1-ジブロムプロパンと1,2-ジブロムプロパン 
     ④エノール型-アセト酢酸エチルとケト型-アセト酢酸エチル

                               

問3. 炭素, 水素, 酸素からなる酢酸エステルの異性体A~Lがある。これらの異性体の性質や関連を調べたところ次の (1)~(7)になった。

(1) Aを元素分析すると, 炭素は63.1%, 水素は8.80%であった。
(2) 1molのA~Kは触媒存在下でそれぞれ1molの重水素と過不足なく反応した。L だけが反応しなかった。Aから生じた生成物の質量増加率は3.50%であった。なお, 重水素の相対質量は2.00とする。
(3) A~Kを適当な条件で加水分解すると生成物は次のようになった。
              A~E…アルコール F~H…アルデヒド I~K…ケトン
 なお, F~Kでは, 不安定なアルコールの中間体を経て, アルデヒドまたはケトンに異性化した。
(4) Bだけが不斉炭素原子1個を持っていることがわかった。
(5) 次の化合物はシス・トランスの幾何異性体の関係にあった。
                       CとD  FとG  JとK
(6) EとHは触媒存在下で水素と反応すると同一生成物になった。
(7) Lの加水分解で得られたアルコールは酸化するとケトンになった。

次の(a)~(f)に答えなさい。構造式は例にならって解答しなさい。

                               (例)
              (image165)

(a)
Aの組成式と分子式を求めなさい。
                               

(b) Bの2つの光学異性体の構造式を書きなさい。
                               

(c)
CとDにおいて, トランス異性体の構造式を書きなさい。

                            

(d) Hの構造式を書きなさい。
                                

(e)
Iの構造式を書きなさい。
                                

(f) Lの構造式を書きなさい。