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問1の答
(ア)同じ(イ)異なる(ウ)価標(結合線)(エ)平面(オ)図式(カ)不飽和(キ)相対的(ク)二重(ケ)置換基(コ)シスcisとトランスtrans(サ)不斉(シ)鏡像(ス)対掌(セ)(+またはd)(ソ)(−またはl:エル)(タ)光学(チ)回転(ツ)反転
問2の答 @幾何 A光学 B構造 C互変
ヒント
@マレイン酸とフマル酸の示性式:CH(COOH)=CH(COOH)…置換基のカルボキシル基COOHが下図(image12)のようにマレイン酸ではcis配置,
フマル酸ではtrans配置になっている。これは幾何異性体の関係にある。
Ad-乳酸 (L-乳酸ともいう:右旋性, 水中15℃で[α]D +3.82°) と l (エル)-乳酸 (D-乳酸ともいう:左旋性, 水中15℃で[α]D -2.26°) の示性式:CH3C*H(OH)COOH…C*は不斉炭素原子であるので下図(image13)の光学異性体が存在する。
B1,1-ジブロムプロパンと1,2-ジブロムプロパンの示性式:CHBr2CH2CH3とCH2BrCHBrCH3…原子間の結合を価標(結合線)で平面上に図式的に描くと下図(image14)のようになる。これは構造異性体の関係にある(回転による立体異性体が考えられるが,
その中で最も安定したものが1種類あるとすると構造異性体のみで考えてよい)。
Cエノール型−アセト酢酸エチルとケト型−アセト酢酸エチルの示性式:
CH3C(OH)=CHCOOC2H5(エノール型) と CH3COCH2COOC2H5(ケト型)
不飽和の二重結合が存在しているエノール型−アセト酢酸エチルの分子は, OH基の水素原子H が隣りのCHのCに結合するとケト型−アセト酢酸エチルになる。
このことは, 炭素原子間結合において, エノール型での二重結合がケト型では単結合になることになる。またエノール型のC-OHのCO結合は単結合であるが,
ケト型ではそのCO結合は二重結合になる。上述のように炭素原子間に二重結合を有し分子中の1個の水素原子などの相対的位置が違うと異なった構造式が生じる。これは,
エノール型−アセト酢酸エチルとケト型−アセト酢酸エチルにおいて互変異性体の関係に相当する。
問3
(a)の答 Aの組成式 C3H5O 分子式 C6H10O2
ヒント
Aの中の炭素原子C, 水素原子H, 酸素原子Oのモル比は
C:H:O = (63.1/12):(8.8/1):(28.1/16) = 3:5:1
よって, 組成式は C3H5O(答)
1molのAに1molの重水素D2が反応(付加反応)して質量が3.5%増加したとする。このことから, いま仮りに分子式を組成式より (C3H5O)×2 = C6H10O2とすると
C6H10O2 + D2 → C6H10D2O2
C6H10O2の分子量は114, C6H10D2O2の分子量は118
よって, 質量増加率は
{(118 - 114)/114}×100 = 3.5 %
したがって, Aの分子式はC6H10O2(答)である。なお, A〜Lは酢酸エステルであるので示性式は次のようになる。
CH3COOC4H7
(b)の答
(image166)
ヒント
光学活性のBもAと同じように示性式はCH3COOC4H7である。
この式をもう少し詳細に書くと
CH3COOC*H(CH3)CH=CH2
ここで, C*は不斉炭素原子である。したがって, 正四面体の中心にC*が位置し正四面体の4つの頂点に次の4つの異なったグループ(原子または原子団)が結合している。
CH3COO, H, CH3, CH=CH2
(c)の答
(image167)
ヒント
CとDは加水分解するとアルコールになるがOH基が二重結合から離れているためにその後ではケトンやアルデヒドには互変の異性化はしない。
FとGはアルコールを経てアルデヒドに互変異性化(image168)
JとKはアルコールを経てケトンに互変異性化(image169)
(d)の答
(image171)
ヒント
Hにはcis-transの幾何異性体は存在しない。加水分解するとアルコールを経てアルデヒドに互変異性化する。
(image170)
(e)の答
(image173)
ヒント
Iにはcis-transの幾何異性体は存在しない。加水分解するとアルコールを経てケトンに互変異性化する。
(image172)
(f)の答
(image174)
ヒント
Lは重水素と反応しない。したがって, 二重結合なし。加水分解するとアルコールを生成するが異性化しない。酸化するとケトンを生じる(アルコール分子のOH基に隣接する炭素原子に1個の水素原子が結合していることになる…image175)。