答                              元の問題へ


問1の答    (ア.
NO) (イ.NO2) (ウ.NH3) (エ.CO2)  (a.) (b.赤褐)


ヒント

●窒素化合物
[アンモニアNH3]  
工業的製法(ハーバー・ボッシュ法):N2 + 3H2 ⇔ 2NH3 (触媒…四酸化三鉄Fe3O4, 約400〜600℃, 約200〜1000atm) 窒素は液体空気の分留, 水素は水の電気分解や水性ガスの精製から得られる。
実験室的製法:2NH4Cl + Ca(OH)2 → CaCl2 + 2H2O + 2NH3(加熱)
         アンモニア確認:NH3 + HCl → NH4Cl (白煙)  無色, 刺激臭, 水によく溶ける(塩基性)
用途:硝酸(爆薬などのニトロ化合物原料), 尿素, プラスチック(ユリア樹脂), 合成繊維(ナイロンなど), 窒素肥料(硫安, 硝安, 塩安)などの原料, 冷媒材料


問2の答    2NO2 + O2 → 2NO2


ヒント
[窒素酸化物]
一酸化二窒素N2O:無色気体, 麻酔作用  
一酸化窒素NO:無色気体, 水難溶性, 酸素と容易に反応
三酸化二窒素N2O3:赤褐色気体, 分解容易
二酸化窒素NO2:赤褐色気体, 水によく溶けて硝酸形成, 毒性, 四酸化二窒素と平衡状態
四酸化二窒素N2O4:無色気体, 二酸化窒素と平衡状態
五酸化二窒素N2O5:無色固体, 分解容易


問3の答    340 Pa 


ヒント

●(イ)のNO2が完全に水に溶け込み反応すると
                     3NO2 + H2O → 2HNO3 + NO …(a)
生成されたHNO3は完全電離 : HNO3 → H+ + NO3-  …(b)
水溶液のpH = 5.00から [H+] = 10-5 mol/L よって, (a)と(b)からNO2のモル濃度は
                      10-5×(3/2) mol/L
水10LでのNO2の物質量は   {10-5×(3/2)}×10 = 1.5×10-4 mol
したがって, NO2の分圧PNO2は, 気体の状態方程式 PNO2V = nRTから
                  PNO2×1 = (1.5×10-4)×( 8.31×103)×273 = 340 Pa(答)


●硝酸の工業的製法(オストワルド法)
(1)白金触媒下でアンモニアを空気の酸素で酸化して一酸化窒素生成:4NH3 + 5O2 → 4NO + 6H2O
(2)一酸化窒素を空気の酸素で酸化して二酸化窒素生成:2NO + O2 → 2NO2
(3)二酸化窒素を水と反応させて硝酸生成:3NO2 + H2O → 2HNO3 + NO
 生成物NOは再び(2)の反応が生じて最終的には全て硝酸になる。


問4の答   (NH2)2CO + H2O → 2NH3 + CO2 


ヒント
尿素(NH2)2CO…無色固体, 融点135℃

[存在] 脊椎動物の血液, 体液, 哺乳動物の尿など

[工業的製法]
液体アンモニアと炭酸ガスを合成筒中で加熱高圧(150〜210℃, 120〜400atm)のもとで反応させる。中間体にカルバミン酸アンモニウムNH4COONH2が生成される。
               2NH3 + CO2 → NH4COONH2 → (NH2)2CO + H2O

[用途] 窒素肥料, 尿素樹脂, 繊維などの原料に多く使用されている。


問5の答   4NO + 4NH3 + O2 → 4N2 + 6H2O 


ヒント

●化合物中の水素原子の酸化数:+1, 酸素原子の酸化数:-2

●4NO → 2N2 + 4H2Oに注目すると, 反応物NO中のNの酸化数:+2, 生成物N2中のNの酸化数:0, よって, 酸化数変化:(+2)×4 → 0…酸化数減少
反応物4molのNOの酸化数減少は次のことを意味する… 反応物4molのNOは相手の4molのNH3と1molのO2を酸化し自身の4molのNOは還元されていることになる。

●4NH3 + O2 → 2N2 + 2H2Oに注目すると, 反応物NH3中のNの酸化数:-3, 反応物O2の中のOの酸化数:0, 生成物N2のNの酸化数:0, 生成物H2OのOの酸化数:-2, よって, 酸化数変化:{(-3)×4 + 0} → {0 + (-2)×2}…酸化数増加
反応物(4molのNH3と1molのO2)の酸化数増加は次のことを意味する… 反応物(4molのNH3と1molのO2)は相手の4molのNOを還元し自身の(4molのNH3と1molのO2)は酸化されていることになる。

●上述の意味するところは, 反応物の酸素自身は酸化作用があるけれどもアンモニアが混入すると全体として還元作用が出てくることになる。