2章C 類題3-2(110219) TOP-C
[問題] 次の文章を読んで, 問に答えなさい。ただし, 必要あれば原子量として次の値を用いなさい…H:1.0, C:12.0, O:16.0, N:14.0, S:32.1 なお, 構造式は下図のグルタチオンとアスパルテームにならって解答しなさい。
アミノ酸のアミノ基とカルボキシル基は, 脱水縮合してぺプチ結合を生じる。一般に, 分子内にペプチド結合をもつ化合物をペプチドという。多くのペプチドは,
側鎖をもつ官能基の種類と配置の仕方によって, 特徴のある性質を示す。たとえば, 以下に示す構造をもち動植物に広く分布するグルタチオンは細胞の中で還元剤として働く。また,
人工甘味料アスパルテームは砂糖の約200倍の甘味を有する。この2種類のペプチドに関する以下の記述を読み, 問1〜4に答えなさい。
(image415)
(1) グルタチオンとアスパルテームの等モル混合物を適当な酸で完全に加水分解すると, 6種類の化合物, G, H, I, J, K, Lが得られた。ただし,
このうち不斉炭素原子をもつアミノ酸はすべて天然型で, 反応によって不斉炭素原子上の配置やアミノ酸の側鎖は影響を受けないものとする。
(2) 化合物GとHは鏡像異性体(光学異性体)をもたず, その水溶液に平面偏光を通しても偏光の振動面を回転させる性質をもたなかった。一方, 化合物
I〜Lの水溶液は, 偏光の面を回転させる性質をもっていた。
(3) 化合物Gだけが常温・常圧で液体であった。
(4) 化合物 I に濃硝酸を加えて加熱した後, 水酸化ナトリウム水溶液を加えて塩基性にすると橙黄色に変色した。
(5) 化合物J を構成成分とするタンパク質水溶液に, 水酸化ナトリウムを加えて加熱した後, 酢酸鉛(II)水溶液を加えると黒色沈殿を生じた。
(6) 化合物 H〜L の各水溶液に, 電極をさして電圧を加え電気泳動を行った。各水溶液のpH を変化させた化合物が移動しなくなる時のpHを調べた。KとLの場合,
そのpHはH, I, J のいずれの場合よりも小さかった。
(7) 化合物 K 1.00gを完全燃焼させると 1.32gの二酸化炭素が生成した。
問1. (6)の電気泳動の実験で, 化合物が移動しなくなったpHにおける化合物Hの構造式を示しなさい。
答
問2. 化合物 I の構造式を示しなさい。
答
問3. 化合物 J の構造式を示しなさい。
答
問4. 化合物 K の構造式を示しなさい。
答