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問1の答
KCl のγ値 : 0.88 MgSO4 のγ値 : 0.43
1g のKCl の物質量は, 式量が 39.1 + 35.5 = 74.6であるので,
1/74.6 ≒ 0.0134 [mol]
モル濃度 C は,
C = 0.0134 [mol/L]
一方, KCl → K+ + Cl- から, KCl の z値は, z = 1であるので, 図1の上部のグラフを参照すると,
γ= 0.88
1g のMgSO4 の物質量は, 式量が 24.3 + 32.1 + 16×4 = 120.4であるので,
1/120.4 ≒0.0083 [mol]
モル濃度 C は,
C = 0.0083 [mol/L]
一方, MgSO4 → Mg2+ + SO42- から, MgSO4 の z値は, z = 2であるので, 図1の下部のグラフを参照すると,
γ= 0.43
問2の答 i = kγ
@イオン結晶の塩化カリウムなどの強電解質の溶解では, 濃度が高くなると, 陽イオンのまわりに陰イオンが, 陰イオンのまわりには陽イオンが存在しやすいために,
見かけ上, イオンの濃度が減少する。この「見かけ上のイオン濃度」が電気伝導度や浸透圧に影響しそれらの値を小さくする。
A「見かけ上のイオン濃度」を生じる強電解質の濃度を「活量」と呼ぶ。
B強電解質において, αはγと一致する場合,
γ= q/(p + q)
ここで, γを活量係数という。q は, 強電解質の濃度において, 活量すなわち「見かけ上のイオン濃度」を生じる強電解質の濃度, p は「見かけ上のイオン濃度」以外のイオンを生じる強電解質の濃度を意味する。
Cイオンの活量は全てのイオンの濃度 k(p + q )に活量係数γをかけて得られる。
活量 = k(p + q)γ
ここで, k は 完全電離においてイオンの種類の数(類題1-1参照)に相当する。
D@〜Cから, 強電解質の i は次式になる。
i = k(p + q)γ/(p + q) = kγ
問3の答
KCl の場合は, i = 1.76
MgSO4 の場合は, i = 0.86
KCl と MgSO4 において,
問1の答えから, KCl のγ値 : 0.88 MgSO4 のγ値 : 0.43
問2の答えの式は, i = kγ
上式に問1のγ値をそれぞれ代入すると, i 値は
KCl の場合は, i = 2×0.88 = 1.76
MgSO4 の場合は, i = 2×0.43 = 0.86
いずれも, 浸透圧から得られた i 値(表1の最右端から2番目の列, KCl:1.82, MgSO4:1.04)より小さな値を示す。