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問1の答
(1)組成式 (2)分子量 (3)異性体
問2の答 1.7 [g]
分子式が C3H8O2で表される化合物 Aは完全燃焼すると,
C3H8O2 + 4O2 → 3CO2 + 4H2O
生成される二酸化炭素の物質量を M[mol]とすると, 上の反応式と A の分子量 = 12×3 + 1×8 + 16×2 = 76 から,
M = (1/76)×3 = 0.03947 [mol]
よって, 生成される二酸化炭素の質量 W[g]は, 分子量 44 から,
W = 44×0.03947 = = 1.74 = 1.7 [g]
問3の答 ヒイドロキシル基
ナトリウムと反応して水素を発生する官能基には, ヒイドロキシル基-OH がある。その有機化合物の例として, アルコールがあげられる。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
HO-R-OH + 2Na → NaO-R-ONa + H2
問4の答 下図
化合物 A, B, Cにおいては, 下記の条件が存在する。
(1)A, B, Cの分子式は C3H8O2
(2) Naとの反応で水素を発生する。
○1molのA, B から 1molの水素発生 ○1molのC から (1/2)molの水素発生
問3の解説と(1)を参照すると,
AとBは,
C3H6(OH)2 + 2Na → C3H6(ONa)2 + 2NaOH + H2
Cは,
C3H7(O)(OH) + Na → C3H7(O)(ONa) + NaOH + (1/2)H2
(3) 水溶液の B は, 塩基性条件下でヨウ素を加えて加熱すると, 黄色沈殿が生成(ヨードホルム反応)
ヨードホルム反応:有機化合物において, 示性式が次のように表される場合,
R-CH(OH)-CH3(エタノールや2-ブタノ−ルなど)
R-CO-CH3(アセトンやアセトアルデヒドなど)
この有機化合物に, ヨウ素ヨウ化カリウムと水酸化ナトリウム水溶液を加えて熱すると, 次の反応式のように, 黄色沈殿のヨードホルム CHI3 が生じる。
R-CH(OH)-CH3 + I2 + KI + NaOH + (3/2)O2 → R-COONa + CHI3 + KOH + 2H2O …(i)
R-CO-CH3 + + I2 + KI + NaOH + O2 → R-COONa + CHI3 + KOH + H2O …(ii)
以上のヨードホルム反応(i)と(2)を参照すると, Bの示性式は次のようになる。
B : HO-CH2-CH(OH)-CH3
一方, A, Cの示性式は, ヨードホルム反応を示さないことから, (2)を参照して,
A : HO-CH2-CH2-CH2-OH
C : CH3-CH2-O-CH2-OH, または CH3-O-CH2-CH2-OH
(4) 適当な条件で酸化剤と反応させると,
○A:C3H8O2 → (酸化) → D:C3H4O4 (酸性)
○B:C3H8O2 → (酸化) → E:C3H4O3 (酸性)
○C:C3H8O2 → (酸化) → F:C3H6O3 (酸性)
Aにおいて,
HO-CH2-CH2-CH2-OH → (酸化) → HOOC-CH2-COOH [D:C3H4O4 (酸性)]
Bにおいて,
HO-CH2-CH(OH)-CH3 → (酸化) → HOOC-C≡C-O-CH3 [E:C3H4O3 (酸性)]
Cにおいて,
CH3-CH2-O-CH2-OH → (酸化) → CH3-CH2-O-COOH (不安定)
CH3-O-CH2-CH2-OH → (酸化) → CH3-O-CH2-COOH [F:C3H6O3 (酸性)]
よって, Cの示性式は, CH3-O-CH2-CH2-OH となる。
A, B, C の構造式は下図のようになる:
(image437)