1章C 類題2-2(110720) TOP-C
[問題] 次の文章を読み, 以下の問1〜4に答えなさい。
必要あれば次の値を使用しなさい。[原子量] H=1.00, C=12.0, O=16.0, Mg=24.3, Al=27.0, Si=28.1, Cl=35.5, Ca=40.1, Fe=55.8,
[アボガドロ定数] 6.0×1023 mol-1, [気体定数] 8.3Pa・m3・K-1・mol-1 = 0.082atm・L・K-1・mol-1
地殻は硬い岩石によって構成されている。岩石の成分元素を定量するために, 以下のような実験を行った。なお, 岩石の主成分はケイ酸塩であり, アルミニウム,
鉄, マグネシウム, カルシウムが含まれているものとする。
岩石中のケイ素酸化物は通常ポリマー構造であるため, まずポリマー鎖を短く切断する必要がある。そこで, 上記の各元素を含んだ岩石試料を炭酸ナトリウムと混合し,
高温で融解してケイ酸塩化合物と金属イオンを含んだ酸化物に分解した。
@得られた試料に希塩酸を加えて加熱すると, 金属イオンは溶解し, ゲル状物質が沈殿した。これをろ過して取り出し, 十分加熱乾燥することでA白色固体を得た。
次に, ろ過中の成分分離を行った。ろ液に硝酸を加え, Fe2+をFe3+に酸化した後, ろ液に純水を加えて500mlにした。そのろ液を2等分して, 溶液(A), (B)を用意した。
溶液(A)にアンモニア水を加え, 沈殿物をろ過して, B固体(C)を得た。溶液(B)にもアンモニア水を加え, 生成した沈殿物をろ紙でろ過した。さらに, ろ紙上に残った固体を水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し, 不溶性のC固体(D)を得た。
得られた固体(C), (D)をそれぞれ, 1000℃以上に加熱して, 酸化物を得た。D固体(C)から得られた酸化物の乾燥質量は, 47.2mg, 固体(D)から得られた酸化物の乾燥質量は, 31.9mgであった。
問1. 下線@の試料中に含まれるケイ酸塩化合物から, 下線Aの白色固体が得られるまでの過程を化学反応式で示しなさい。
答
問2. 下線Aの白色固体の名称を述べ, その構造の特徴を簡潔に記しなさい。
答
問3. 下線B, 下線Cの固体(C), (D)にはどのような化合物が含まれていますか。それぞれの化学式を示しなさい。
答
問4. 下線Dの酸化物に含まれる各金属イオンについて, 溶液(A)中のモル濃度[mol・L-1]を, それぞれ有効数字2桁で求めなさい。ただし, 金属イオンはすべて酸化物になったものとする。結果だけでなく計算の過程も記しなさい。
答