答                              元の問題へ


問1の答   3 (下図1参照)


 テトラメチルベンゼンを示性式で表すと,

                           C6H2(CH3)4

 示性式において, ベンゼン中の4つの水素原子のかわりに4つのメチル基が付加していることがわかる。そこで, 六角形のベンゼン環中の6つの炭素原子に番号1〜6を, 時計針回転の同方向につけて, 位置異性体を考えると, 次のようになる(下図1参照)。

@メチル基が, 炭素原子 1, 2, 3, 4 に付加
Aメチル基が, 炭素原子 1, 2, 3, 5 に付加
Bメチル基が, 炭素原子 1, 2, 4, 5 に付加


問2の答   下図1のB


[I] モノマーM1において
(1) Aはテトラメチルベンゼンの位置異性体…問1解説中の@〜Bのいずれかに相当
(2) A → (KMnO4で酸化) → カルボン酸のK塩(-COOK) とMnO2の生成 → (酸性水溶液) → B生成(分子中に4個の-COOH存在)の生成
(3) B → (H2Oの2分子脱水縮合) → M1(分子中に2個の-CO-O-CO-存在)
(3) M1 → (2分子のC2H5OH付加) → 異性体の化合物CとD(分子中に2個の-COOC2H5, -COOH存在)

[II] モノマーM2において
(1) 化合物E(分子中に2個-NO2存在) → (NH4Cl水溶液, Fe粉で還元) → モノマーM2の塩酸塩(-NH3Cl)とFeO生成
(2) モノマーM2の塩酸塩(-NH3Cl) → (濃アンモニア水) → モノマーM2(分子中に2個の-NH2存在)生成

[III] ポリマーPにおいて
(1) 等モルのM1とM2 → (重合と脱水縮合) → P(-CO-N-CO-)生成

● [I]において, (1), (2)および(3)を考慮すると, A(問1解説のBに相当), 2種のCとD, およびM1の構造式は下図2のようになる。問1解説のB以外のAの場合は, 2分子のC2H5OH付加で生成される異性体の数は2種にはならない。

● [II]において, (1)と(2)を考慮すると, E中の-NO2が還元されて-NH2になりジアミンのM2が生成される。その構造式は下図3のようになる。

● [III]において, (1)を考慮すると, Pの構造式は下図4のようになる。M1とM2が等モルで反応することに注意を要する。この条件がないと種々のPの構造が想定される。


問3の答   下図2のCとD


問4の答   下図のM2


問5の答   (3)


 ● (1)において, 塩基の水酸化ナトリウム NaOH は酸のカルボン酸 RCOOH と中和反応して次のようにナトリウム塩を生成する。

                   RCOOH + NaOH → RCOONa + H2O

 塩基性のアミノ基-NH2を持つM2は塩基の水酸化ナトリウム NaOH と反応しない。

 ● (2)において, 硫酸酸性二クロム酸カリウム K2Cr2O7(H2SO4) 水溶液は強い酸化剤であるので, 還元性のM2は酸化される。還元ではない。

 ● (3)において, 次亜塩素酸カルシウム Ca(ClO)2 水溶液は, 次のように発生基の酸素 (O) を発生し,

                      Ca(ClO)2 → CaCl2 + 2(O)

 その強力な酸化力のため, 漂白剤や殺菌剤に使用される。さらし粉の主成分である。還元性のM2は酸化される。

 ● CH3-CH(R)OH や CH3-CO(R) の構造を持つ有機化合物は, 加熱されたヨウ素ヨウ化カリウム I2(KI) と水酸化ナトリウム NaOH の混合水溶液と反応して, 黄色沈殿のヨードホルム CHI3 を生じる。

 ● アルデヒド基 -CHO を持つ有機化合物は還元性があり, 熱せられた Cu2+ を含むフェーリング溶液と反応して, 酸化銅(I) Cu2O の赤色沈殿を生じる。


問6の答   下図4のP

           (image526)