8章C 類題2-2(131025)              TOP-C


[問題] 元素に関する以下の文章を読み, 問1〜問6に答えなさい。

 元素を太陽系における物質量が大きい順に並べると, 水素, ( a ), 酸素, 炭素, 窒素となる。( a )は第( b )族元素に属し, イオン化エネルギーが全ての元素の中で最も大きい。

 一方, 酸素のイオン化エネルギーは, 第2周期元素の平均値に近い。酸素の同素体であるオゾンは, 成層圏で太陽からの紫外線を吸収し, 地球表層の生物を紫外線の有害な作用から保護している。

 生物や化石燃料の主要構成元素である炭素の同位体のうち, 質量数( c )の同位体は, 半減期(半分が放射壊変して別の同位体に変化するのに要する時間)が 5730年の放射性同位体で, 考古学試料などの年代測定に用いられている。 
 大気中の二酸化炭素に含まれる放射性炭素の比率はほぼ一定であるが, @地球に到達する宇宙線強度の変化, 化石燃料の使用, 1945年以降の核実験の影響などによって変動してきた。

 窒素は空気の約8割を占め, アミノ酸をはじめとする多くの生体物質に含まれており, 生命活動を支える重要な元素の1つである。

問1 ( a )にあてはまる元素名と( b ), ( c )にあてはまる数値を記しなさい。

                   


問2 第( b )族, 第3周期の元素は, 80K以下の低温で面心立方格子の結晶となり, その単位格子の1辺の長さは 0.526nm である。この結晶における原子間距離(最近接の二つの原子間の距離)を有効数字2桁で求めなさい。ただし単位格子の中には4個の原子があるものとする。計算の過程も記しなさい。必要ならば次の値を使用しなさい。(2)1/2 = 1.41, (3)1/2 = 1.73, (5)1/2 = 2.24

                   


問3 問2で述べたように, 第( b )族, 第3周期の元素の結晶は低温条件でなければ存在できないが, 同じく第3周期に属する塩素を含む KCl は室温でも安定に結晶が存在できる。その理由を両者の結合の性質に着目して 50字から 100字程度で記しなさい。

                   


問4 標準状態で 44.8L の空気(モル分率 0.20 の酸素を含む)に紫外線を照射したところ, オゾンが生成した。反応後の気体の体積は, 反応前と比べて標準状態で 1.4L 減少していた。反応後の気体に含まれているオゾンのモル分率を有効数字2桁で求めなさい。計算の過程を記しなさい。ただし, 紫外線の照射によって起こる反応はオゾンの生成のみと考える。

                   


問5 下線部@の影響により, 大気中の二酸化炭素に含まれる放射性炭素の比率は変動してきた。宇宙線強度の増加, および化石燃料の使用は, 放射性炭素の比率を増加させるか減少させるかについて, それぞれについて記しなさい。

                   


問6 一般的に分子の形は, 共有電子対, 非共有電子対, 不対電子の間の静電的な反発などの効果を反映して決まる。たとえば水分子では, 2つの非共有電子対と 2つの O-H 結合の共有電子対との反発により, 非共有電子対を含めて考えれば正四面体に近い形状になるため折れ曲がった分子構造をとる。これらをふまえて, 以下の選択肢(1)〜(4)から, 分子またはイオン全体としての極性をもつものを全て選び, その番号を記しなさい。

       (1) 二酸化窒素  (2) 四酸化二窒素  (3) 三フッ化窒素  (4) アンモニウムイオン