8章C 類題1-1(130709)              TOP-C


[問題] 下の文章を読み, 各問に答えなさい。

 必要があえれば次の原子量と対数の値を用いなさい : 原子量において, H=1.0, C=12.0, N=14.0, O=16.0, Na=23.0, S=32.1

  対数において, log
102=0.30, log103=0.48, log105=0.70


 
市販の水酸化ナトリウムは白色の小球状をしており, 湿った空気中に置いておくとその表面が濡れてくる。また空気中で速やかに二酸化炭素を吸収する。
 日本薬局方によれば 1 mol・L
-1水酸化ナトリウム水溶液を調製する場合は, 以下のような手順で行うこととされている。
 「水酸化ナトリウム約42gを量り水950mLに溶かす。これに
水酸化バリウム8水和物飽和水溶液を沈殿がもはや生じなくなるまで滴下し, よく混ぜて密栓し, 24時間放置した後ろ過する。このろ液の濃度を次のような操作で決定する。乾燥したアミド硫酸1.5g前後を精密に量り, 新たに煮沸して冷却した水25mLに溶かす。これを上記の水酸化ナトリウム水溶液で滴定する。」
 
上記の手順で調整した水酸化ナトリウム水溶液を用いて, 濃度不明の酢酸水溶液100mLを適当なpH指示薬を用いて滴定したところ, 20mLで中和点に達することがわかった。 

 (注) アミド硫酸は次の示性式で示すように一価の酸である : NH2SO2OH


問1 下線部①の現象を何とよびますか。

                    


問2 下線部②について, 沈殿が生じる化学反応式を書き, なぜこのような操作が必要なのか50字から100字程度で記しなさい。

                    


問3 アミド硫酸1.444gを評量して, 問題文に示された手順に従い滴定したところ水酸化ナトリウム水溶液は15.20mL必要であった。調整した水酸化ナトリウム水溶液の濃度を有効数字3桁で求めなさい。

                    


問4 下線部③について, 水酸化ナトリウム水溶液10mLを滴下した時点でのpHを求めなさい。ただし酢酸の電離定数を1.8×10
-5moL・L-1とする。

                    


問5 電離定数4.0×10
-4moL・L-1をもつ弱酸型のpH指示薬Xがある。Xの分子式をHAと表わすと溶液中では下式のように電離している。

  HA ⇄ H
+ + A-

 HA, A-の濃度比が0.1以上10以下の範囲にあるときに色調の変化が肉眼でわかると仮定する。このpH指示薬Xの色調の変化が肉眼でわかるpHの値の範囲を有効数字2桁で求めなさい。

                    


問6 下線部③で記した滴定にpH指示薬Xを用いることが適当かどうか, 問5の結果をもとにして50字から100字程度でその理由を記しなさい。