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問1の答  A : (4),  B : (2)


 Aにおいて,アルコールだけの炎は見にくいので, 別の物質[原注1]で炎に色をつけています」では, [原注1]の溶液にはアルコールに塩化銅(II)が溶かしてあるので, Cu2+がふくまれている。この陽イオンは励起されると青色の光を放出する。これは炎色反応に相当する。以上から, (4)の「金属原子やそのイオンが, 金属に固有の波長の光を放出する現象」が最も適切である。

 Bにおいて, 「これ(白金)を炎の中で熱してみると明るく輝いているのがわかるでしょう。……炎が白金に与えられている熱は―炎自身の熱よりずっと少ないのですが―白金を輝かせています。」では, 白金は炎の熱で加熱され, その温度に関連して輝いていることになる。これは黒体輻射に相当する。以上から, (2)の「電球のフィラメントなど高温の物質が出す光で, 物質の種類によらない」が最も適切である。


問2の答  117 [g]


 蜜ロウソクの成分のセロチン酸(分子式C26H52O2)は完全燃焼すると次式が成立する:

  C26H52O2 + 39O2 → 26CO2 + 26H2O  …(i)

 
(i)式において, 1molのセロチン酸から 26molの水が生成されることから, 燃焼に使用する99gの蜜ロウソク(セロチン酸)の完全燃焼で生成される水の物質量mWは, セロチン酸の分子量:12×26 + 1×52 + 16×2 = 396を用いて,

 mW = (99/396)×26 = 6.5 [mol]

 生成される水の質量Wは, 水の分子量は18.0であるので,

 W = 18×6.5 = 117 [g]


問3の答

 Dの文中の石灰石の主成分は強塩基Ca(OH)2と弱酸H2CO3の脱水から成る中性塩の炭酸カルシウムCaCO3であるから, それに強酸性の希塩酸(うすい塩化水素HClの水溶液)を加えると, 反応して弱酸からの二酸化炭素CO2が発生する。その反応式は次のようになる:

  CaCO3 + 2HCl → CaCl2 + CO2 + H2O

 
発生する二酸化炭素CO2は, 水上置換で捕集する。そのとき, 不純物として含まれる塩化水素HClは水に溶ける。


問4の答

1. [表1-1]から求められる窒素および二酸化炭素の分子量

 「気体が理想気体の場合には, その1molの気体(gで分子量の数値と一致)は, 気体の種類とは関係なく, 0℃, 1atmの標準状態で 22.4 Lである」ことを用いると,

 窒素の分子量 : 35.0×(22.4/28.0) = 28  …(i)
 二酸化炭素の分子量 : 57.0×(22.4/28.0) = 45.6  …(ii)

2. 原子量から計算される窒素および二酸化炭素の分子量

 窒素の分子量 : 分子式はN2なので, 14.0×2 = 28.0  …(iii)
 二酸化炭素の分子量 : 分子式はCO2なので, 12.0 + 16.0×2 = 44.0  …(iv)

 1と2の比較において, 窒素の場合は, (i) = (iii)で一致する。二酸化炭素の場合は, (ii)>(iv)で[表1-1]の方が1.6だけ大きい。この主たる原因は, 二酸化炭素が, 窒素と比べて, 理想気体からのずれが大きいと推定される。