8章B 類題3-1(140201)                 TOP-B


[問題] 下の文章を読んで, 問1〜問5に答えなさい。構造式を記入するときは, 次の構造式の記入例にならって記しなさい。ただし, 記入する構造式においては, 幾何異性体および光学異性体は区別しないものとする。原子量は H=1.00, C=12.0, O=16.0 とし, 気体の 1.00 mol の体積は標準状態で 22.4 リットルとする。

                (image536)

 10.0 g の化合物 A (分子式 C16H18O4) に白金触媒を用いて常圧の水素を付加させたところ, 標準状態において約 1.64リットルの水素が反応し化合物 B が生じた。この化合物 B を加水分解したところ, 化合物 C と化合物 D が得られた。

 濃硫酸を加えた条件で, 化合物 C を加熱したところ脱水反応が進行し, 1-ブテンが生じた。化合物 C を, 硫酸酸性の二クロム酸カリウムを用いて酸化すると化合物 E となり, さらに酸化を進めるとカルボン酸が生じた。

 一方, 化合物 D を加熱したところ, 分子内で脱水反応が進行し, 芳香族酸無水物が生じた。この化合物は1分子のメタノールと反応すると, 分子量 180 の化合物になる。

 これらの反応とは別に, 化合物 A を加水分解したところ, 化合物 D とともに, 互いに構造異性体の関係にある化合物 E と化合物 F が生じた。なお, 化合物 F には幾何異性体が存在しない。


問1 下線部について, 1 mol の化合物 A は何 mol の水素と反応しますか。適切な数値を整数で答えなさい。

                            


問2 化合物 D は, 芳香族化合物の酸化反応によって合成できる。その芳香族化合物の名称を 1つ記しなさい。

                            


問3 化合物 A, C, E, F の構造式をそれぞれ記しなさい。

                            


問4 化合物 E と F の分子量は同一であるが, それぞれの沸点は 85℃, 114℃である。沸点が異なる理由を 約 150字以内で説明しなさい。