8章B 類題1-1(131214) TOP-B
[問題] 次の文章を読んで, 問1〜問4に答えなさい。ただし, 原子量は, C=12.0, O=16.0 とし, アボガドロ定数は 6.0×1023/mol とする。また, 必要があれば, (2)1/2 = 1.4, (3)1/2 = 1.7 の値を用いなさい。
分子や結晶における化学結合について考えよう。化学結合の性質を表わす量の1つに電気陰性度がある。電気陰性度を最初に提案したポーリングによれば,
結合している2つの原子 A および B に対して, 結合 A-A, B-B, A-B の結合エネルギーをそれぞれ, E(A-A), E(B-B),
E(A-B) とおくと, 原子 A と B の電気陰性度の差の絶対値は
ΔE = E(A-B) - (1/2){E(A-A) + E(B-B)]
の平方根 (ΔE)1/2 に比例する。表1にいくつかの結合の結合エネルギーを示す。表に与えられた元素のうち, 電気陰性度が最も小さい元素は H である。
このことから, 表1の元素のうち電気陰性度の最も大きい元素は( ア )であることがわかる。このとき, H 原子と( ア )原子とからなる結合に対して, ΔE = ( I ) kJ/mol である。
表1
結合 H-H 結合エネルギー(kJ/mol) 4.3×102 結合 F-F 結合エネルギー(kJ/mol) 1.5×102
結合 Cl-Cl 結合エネルギー(kJ/mol) 2.4×102 結合 Br-Br 結合エネルギー(kJ/mol) 1.9×102
結合 I-I 結合エネルギー(kJ/mol) 1.5×102
結合 H-F 結合エネルギー(kJ/mol) 5.7×102 結合 H-Cl 結合エネルギー(kJ/mol) 4.3×102
結合 H-Br 結合エネルギー(kJ/mol) 3.6×102 結合 H-I 結合エネルギー(kJ/mol) 2.9×102
電気陰性度はイオン化エネルギーならびに電子親和力とも関係している。原子のイオン化エネルギーは, 原子が電子を {イ : @得て, A失って} イオンに変る反応の際に {ウ : @必要な, A放出する} エネルギーである。
電子親和力は, 原子が電子を {エ : @得て, A失って} イオンに変る反応の際に {オ : @必要な, A放出する} エネルギーである。よって,
イオン化エネルギーが {カ : @大きく, A小さく}, 電子親和力が {キ : @大きい, A小さい} 元素ほど電気陰性度は大きくなる傾向がある。
結合している2つの原子の電気陰性度の差が大きいほど電荷のかたよりは大きくなり, その結合は極性をもつようになる。多原子分子では, 分子の極性はその構造にも依存する。
たとえば, @H-O結合も C=O結合も極性をもつが, H2O は極性分子であるものの, CO2は無極性分子であり, CO2分子は弱いファンデルワールス力で結びついて, 低温で分子結晶を生じる。
CO2の分子結晶は面心立方格子を形成し, C原子が単位格子の頂点と面心を占めている。ある条件におけるCO2結晶の単位格子の一辺の長さは 0.56 nm (1nm = 10-9m) であった。
この結晶において, 1つのCO2分子に含まれるC原子から最も近い位置に存在するC原子までの距離は( II )nm である。また, CO2結晶の密度は( III )g/cm3 である。
問1 ( ア ) に適切な元素記号を記入しなさい。
答
問2 { イ } 〜 { キ } について, { }内の適切な語句を選び, その記号を記しなさい。
答
問3 ( I )〜( III )に適切な数値を有効数字2桁で答えなさい。
答
問4 下線部@について, そのようになる理由を 200字以内で記しなさい。
答