7章B 類題3-2(121227)               TOP-B


[問題] 次の文を読んで, 問1〜問4に答えなさい。構造式を記入するときは, 図1の記入例にならって記しなさい。なお, 構造式の記入に際し, 幾何異性体および光学異性体は区別しないものとする。原子量は, H = 1.00, C = 12.0, O = 16.0 とする。
              (image484)

 不斉炭素原子を 1個もつ化合物 H (分子式 C27H28O8, 分子量 480) に白金触媒の存在下で水素を付加させると, 不斉炭素原子をもたない化合物 I (分子式 C27H30O8) が得られた。一方, 化合物 H に含まれる 4個のエステル結合を完全に加水分解すると 4種類の化合物 J, K, L, M が得られた。
 化合物 J は一価カルボン酸であり, 触媒を用いてトルエンを空気酸化しても得られる。
 分子式 C3H8O の化合物 K は酸化によりカルボニル基を有する化合物 N になった。化合物 N の水溶液は中性であった。化合物 N をフェーリング液に加えて沸騰水中で温めても赤色沈殿は生成しなかった。
 化合物 L は粘性の高いアルコールであり, 高級脂肪酸とのエステルは油脂と呼ばれる。
 分子式 C7H8O4 の化合物 M は同一炭素に 2個のカルボキシル基が結合した二価カルボン酸である。化合物 M のカルボキシル基を 2個とも水素原子に置き換えると, 五員環構造を有するアルケン(シクロペンテン)になる。

問1 化合物 J と L の化合物名を記しなさい。

                           

問2 化合物 K および N に関する記述として正しいものを(ア)〜(オ)の中からすべて選び, 記号で答えなさい。

 (ア) 化合物 K と N をそれぞれ完全燃焼させると, 生成する二酸化炭素と水の物質量の比はともに 3:4 となる。
 (イ) 化合物 K に金属ナトリウムを加えると水素が発生し, 炭酸水素ナトリウム水溶液を加えると二酸化炭素を発生する。
 (ウ) 化合物 K とエチルメチルエーテルは互いに構造異性体の関係にあり, 前者の沸点は後者の沸点よりも高い。
 (エ) 1 リットルの水に 0.1mol の化合物 K と 0.1mol のアニリン塩酸塩を一緒に溶かすと, その溶液は中性となる。
 (オ) 化合物 K と N はともにヨードホルム反応に陽性を示す。

                           

問3 48.0g の化合物 H を完全に加水分解すると, 化合物 J は何g 生成しますか。有効数字2桁で答えなさい。

                           

問4 化合物 H の構造式を記しなさい。