7章B 類題3-1(121209)               TOP-B


[問題] 次の文を読んで, 問1と問2に答えなさい。構造式を記入するときは, 図1の記入例にならって記しなさい。なお, 構造式の記入に際し, 幾何異性体および光学異性体は区別しないものとする。原子量は, H = 1.00, C = 12.0, O = 16.0 とする。
              (image484)

 炭素-炭素二重結合は, 硫酸酸性過マンガン酸カリウム水溶液の作用あるいはオゾン分解により, 次図2の例に示すように酸化的に切断される。
      (image485)

 1.00 mol の化合物 A を完全燃焼させるのに, 酸素が 8.50 mol 必要であった。この化合物 A の元素分析を行ったところ, 質量パーセント組成は炭素 87.8%, 水素 12.2%であった
 化合物 A には同じ分子式で表される構造異性体 B, C, D が存在する。化合物 A の硫酸酸性過マンガン酸カリウム水溶液を作用させて得られる化合物を, ヘキサメチレンジアミンと縮合重合させると, 6,6-ナイロンが得られた。
 不斉炭素原子を 1個有する化合物 B に, 水銀(II)塩を触媒として, 希硫酸中で水を付加させて得られる生成物は, カルボニル基を有する構造異性体に直ちに変化し, ヨードホルム反応に陽性を示した。
 メチル基を 2個もつ化合物 C に白金触媒の存在下で水素 2分子を付加させると, メチル基を 4個もつアルカンが得られた。また, 化合物 C は, 付加重合反応により二重結合を主鎖に含む高分子化合物 E になった。
 化合物 D のオゾン分解により得られる化合物 F にアンモニア性硝酸銀水溶液を加えると, 銀鏡反応が進行した。また, 化合物 F を還元したところ, 二価アルコール G が得られた。化合物 G に濃硫酸を加えて分子内の縮合反応を行って得られた化合物は, α-グルコースのすべてのヒドロキシ基が水素原子に置き換わった化合物と同一であった。

問1 下線部の事実をもとに化合物 A の分子式を決定しなさい。導出過程も含めて記しなさい。

                           

問2 化合物 A, B, D, E および G の構造式を記しなさい。