6章B 類題3-2(120109)               TOP-B


[問題] 次の文を読んで, 問1〜問4に答えなさい。構造式を記入するときは, 記入例にならって記しなさい。なお, 構造式の記入に際し不斉炭素原子の立体化学は考慮しなくてよい。原子量は, H=1.0, C=12.0, O=16.0 とする。また, 気体 1mol の体積は標準状態で 22.4L とする。
             (image453)

 化合物 O のエステル結合を加水分解し, 芳香族カルボン酸 P (分子式 C12H14O2)とアルコール Q (分子式 C4H8O)を得る実験を行った。化合物 P および Q はいずれも二重結合を 1つ含んだ炭素鎖を持ち, 幾何異性体は存在しない。
 ある時点で反応を停止させたところ, 加水分解は途中までしか進行しておらず, 化合物 O, P, Q の混合物が 25.0g 得られた。
 @この混合物に対し白金触媒存在下, 水素を常温常圧で反応させたところ, 標準状態で 4.48L の水素が消費されることがわかった。
 化合物 P には不斉炭素原子が 1つ存在するが, 化合物 P と水素の反応により生成するカルボン酸 R は不斉炭素原子を持たない。
 化合物 R のベンゼン環には 4つの水素原子が結合しており, そのうち任意の 1つの水素原子を他の原子で置き換える場合, 理論上 2種類の異性体が生じうる。
 一方, 化合物 Q と水素の反応により生成するアルコール S は分岐型のアルキル基を有する構造であり, 化合物 S をおだやかに酸化して生じる化合物 T の水溶液にアンモニア性硝酸銀水溶液を加えると銀が析出する。

問1
下線部@の実験結果より, 実験に用いた化合物 O の物質量が求まる。何 mol の化合物 O を用いましたか。有効数字2桁で答えなさい。

                            

問2.
実験に用いた化合物 O のうち何%が加水分解されましたか。有効数字2桁で答えなさい。

                            

問3. 化合物 P に関する記述として正しいものを(ア)〜(オ)の中からすべて選び, 記号で答えなさい。

 (ア) 化合物 P をナトリウムフェノキシドの水溶液に加えると, フェノールが遊離する。

 (イ) 化合物 P はフェーリング液と反応し, 赤色沈殿が生じる。

 (ウ) 1mol の化合物 P と 1mol のナトリウムを完全に反応させると, 1mol の水素を発生する。

 (エ) 1mol の化合物 P を完全燃焼させると, 1mol の化合物 R を完全燃焼させるときと同量の二酸化炭素が生成する。

 (オ) 化合物 P のナトリウム塩の水溶液は中性である。

                            

問4. 化合物 P, Q の構造式を記しなさい。