6章B 類題2-2(111217) TOP-B
[問題] 次の文を読んで, 問1〜問3に答えなさい。気体は理想気体, 気体定数は 8.3×103 Pa・L/(K・mol), アボガドロ定数は 6.0×1023 とする。数値で答える必要のある箇所では有効数字2桁で答えなさい。
多孔質であるシリカゲルの表面積を調べるために図1に示した装置を用いてヘリウムと窒素について実験を行った。温度 100K において, シリカゲルはヘリウムを吸着しないが,
窒素分子を吸着する。また, 吸着された窒素分子の数と平衡圧力との関係は, 次の式に従うものとする(類題2-1(111208)の(3)式参照)。
N = KPN0/(KP + 1)
ただし N:気体分子が吸着している吸着点の数, K:定数, P:気体の圧力, N0:吸着点の総数。
(image452)
容器Iと容器IIは, 弁Aによって隔てられており, 弁Aの開閉によってそれらの体積は変化しないものとする。さらに, 容器IIには弁Bが付いており,
この弁を介して容器IIに気体を導入したり, 排気したりすることができる。装置の温度は常に 100K に保たれるものとする。また容器は気体分子を吸着しないものとし,
弁A, 弁Bの体積, ならびに吸着された窒素分子によるシリカゲルの体積変化は無視できるものとする。
容器IIの体積については, あらかじめ 50mL であることがわかっている。シリカゲル試料 0.10g を容器Iに入れたのち, 以下の実験1〜実験3を行った。
実験1 まず, @加えたシリカゲル試料の体積を除いた容器Iの体積(これを有効体積と呼ぶ)を求めるために, ヘリウムを用いて次の実験を行った。すべての弁を開けて容器内を十分に排気したのち, すべての弁を閉じた。次に弁Bを開けて容器IIにヘリウムを一定量導入し,
弁Bを閉じたところ, 容器IIの圧力は 1.5×104Pa を示した。次に弁Aを開けたのちに, 容器Iと容器IIの圧力を測定したところ 1.0×104Pa となった。
実験2 実験1の終了後, すべての弁を開けて容器IとIIを十分に排気したのち, すべての弁を閉じた。次に導入気体を窒素とし, 弁Bを開けて容器IIに窒素を一定量導入したのち弁Bを閉じたところ,
容器IIの圧力は 1.7×104Pa を示した。次に弁Aを開けて平衡に達したのちに, A容器IとIIの圧力を測定したところ 0.80×104Pa となった。
実験3 実験2の終了後, 弁A, 弁Bを操作して容器IとIIの内部を減圧した。その結果, 平衡圧力が 0.16×104Pa となり, 吸着された窒素分子の量が実験2のときと比べて 2.0×10-4mol 減少していることがわかった。
問1 実験1の下線部@に関して, 容器Iの有効体積[mL]を求めなさい。
答
問2 実験2の下線部Aに関して, 平衡圧力 0.80×104Pa でシリカゲル試料に吸着されている窒素分子の物質量[mol]を求めなさい。
答
問3 吸着された窒素分子 1個がシリカゲルの表面を占める面積は他の実験から 2.0×10-19 m2 であることがわかった。この値を用いて, シリカゲル試料 1g あたりの表面積[m2]を求めなさい。
答