5章B 類題3-1(101217)               TOP-B



[問題] 次の文章を読んで, 問1〜4に答えなさい。なお, 構造式を記入するとき, 記入例にならって記しなさい。

 分子内に2つ以上の官能基をもつ有機化合物の反応では, その官能基の反応速度の差を利用して, 特定の官能基を反応させることができる。
 たとえば, 第一級, 第二級および第三級アルコール部位をもつ多価アルコールと同じ物質量の無水酢酸との反応では, 第一級アルコール部位の反応が速いため, 第一級アルコール部位のヒドロキシ基を選択的にアセチル化することが可能である。
 化合物A(分子式C26H22O4)を完全に加水分解したところ, 物質量の比 2:1 で化合物Bと化合物Cの混合物が得られた。
 化合物Bは, 化合物Dの水素原子の 1つがカルボキシル基に置き換わった芳香族カルボン酸である。化合物Dは昇華しやすい固体であり, これを酸化すると化合物Eが生じた。
 化合物Eは, 分子内での脱水反応により酸無水物Fに変換される。化合物Eは, o-キシレンを過マンガン酸カリウムで酸化することでも得られる。
 一方, 化合物Cの組成式は C2H5O であり, 化合物Cは不斉炭素原子を 1つ有する。1molの化合物Cを過剰量のナトリウムと反応させると( ア )molの水素が生成した。
 化合物Cを同じ物質量の無水酢酸と反応させると, 化合物Gが選択的に得られた。化合物Gを酸化すると分子量が 2 減少した化合物Hが得られ, 化合物Hを加水分解すると化合物 I と酢酸が生じた。化合物 I に水酸化ナトリウム水溶液とヨウ素を加えて温めると黄色沈殿(ヨードホルム)が生じた。
               (image337)

問1. 化合物Bについては, 2種類の異性体の可能性が考えられる。その 2つの構造式を記しなさい。

                            

問2. 化合物C, G, I の構造式をそれぞれ記しなさい。なお, 鏡像異性体は区別しないものとする。

                            

問3. 1mol の化合物Fと 1mol のメタノールが反応することで生成する化合物の構造式を記しなさい。

                            

問4. ( ア )に適切な数字を記入しなさい。