4章B 類題4-1(100118)                 TOP-B


[問題] 次の文を読んで下の各問いに答えなさい。

 油脂は, 炭素数の多いステアリン酸, オレイン酸, リノール酸などの(ア)脂肪酸と(イ)(ウ)であり, ラッカセイ, ゴマ, 菜などの植物種子や動物の体内に存在する。へキサンやジエチルエーテルなどの有機溶媒で(エ)される。水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリ水溶液で(オ)すると, (ア)脂肪酸のナトリウム塩の石鹸が得られる。石鹸水溶液は(カ)性で(キ)の作用を示し, 洗剤として働く。
 (ク)脂肪酸のステアリン酸と(ケ)脂肪酸のオレイン酸は, その分子中で炭素原子数が等しいが融点は大きく異なる。この融点の違いには, 脂肪酸分子どうしが密に集合するかどうかが大きく影響している。
 ステアリン酸の炭化水素基は, 各炭素間の結合を軸にして(コ)するので, 安定な状態として伸びきった形をとることができる。その状態では分子どうしが密に(サ), (シ)による相互作用が(ス)くなる。
 オレイン酸は炭化水素基がシス型(セ)結合の部分で折れ曲がるので, ステアリン酸に比べて分子どうしが密に(ソ), 相互作用が(タ)くなる。その結果として, オレイン酸はステアリン酸と比べて, (タ)い熱エネルギーを与えることで分子どうしの配列が乱れ液体状態となる。このことがステアリン酸と比べてオレイン酸がより(チ)い融点を示す主な理由のひとつである。

問1. 上の文中の(ア)〜(チ)に次の[語句]から最も適切なものを選び記入しなさい。

  [語句] 低, エステル, エーテル, 飽和, アルコール, グリセリン, けん価, 界面活性や乳化, 抽出, 単結合, 二重, 回転, 集合し, 集合できず, 弱アルカリ, 強アルカリ, 弱酸, ファンデルワールス力, 共有結合, イオン結合, 不飽和, 大き, 小さ, 高, 高級, けん化

                    

問2. 石鹸は分子内に親水基と疏水基の両方をもち, 水と油をなじませる作用を示す界面活性剤である。図1に示す化合物Aも界面活性剤である。
 いま各々 1 mLの溶液が入った2本の試験管がある。一方は化合物Aの水溶液で, 他方は石鹸の一種であるオレイン酸ナトリウムの水溶液である。濃度はいずれも 1%である。2つの試験管に対して(あ)〜(き)の各操作を行ったとき, 結果を目で見ることによってオレイン酸ナトリウム水溶液であることを判別できるのはどれですか。その記号を記しなさい。

              (image278)
(あ) 1%フェノールフタレインを数滴加えて混合する。
(い) 0.1%メチルオレンジ溶液を数滴加えて混合する。
(う) 0.1mol/L塩酸を数滴加えて混合する。
(え) オリーブ油 0.1mLを加えて混合する。
(お) 0.1mol/L塩化マグネシウム水溶液を数滴加えて混合する。
(か) アンモニア性硝酸銀溶液 3mLを加え, 60℃に加温する。
(き) 3%臭素水 0.1mLと混合する。