4章B 類題1-2(091116) TOP-B
[問題]
次文を読んで下の各問いに答えなさい。
三態の物質を形成している粒子の結合は, 化学系において, 次のように2つに大別される。すなわち, @分子や多原子イオンなどの安定に存在する粒子内で, 原子や単原子イオンを互いに強く結び付けている結合, およびA安定粒子間を比較的ゆるやかに結び付けている結合である。
@の下線部分の結合は化学結合といわれ, 普通, 結合様式によって, 共有結合, (ア)結合, 金属結合, 配位結合の4つの型に分けられる。実在の結合は2つ以上の型が(イ)して混合したものが多い。結合様式の分類以外に多重度による(ウ)結合, 二重結合, 三重結合や原子価電子の軌道によるσ結合, (エ)結合などの分類がある。
Aの下線部分の結合には, 分子間結合があり, その中で, かなり強い(オ)結合や弱いファンデルワールス力による結合が存在する。ファンデルワールス力は, 構造が似た分子では, 分子量が(カ)くなるほど大きくなる傾向がある。分子間の引力は, 理想気体に比べて気体の圧力を(キ)くする効果を及ぼす。また, 温度一定の条件において, 体積を小さくした場合には, 分子間の平均距離が短くなるため, 引力の効果は(ク)くなる。
一方, 気体分子自身の大きさの効果により, 理想気体と比較して, 気体分子自身の大きさの分だけ, 分子が運動できる部分の体積が(ケ)くなる。この気体分子自身の大きさの効果は, 高圧のときに, より(コ)くなる。このような分子間力や分子自身の体積の効果を調べるために, 次の量Zを考える。
Z = pV/(nRT)
ここで, pは圧力 [Pa], Vは体積 [L], Tは絶対温度 [K], nは物質量[mol], Rは気体定数 [Pa・L/(K・mol)]である。
理想気体の場合は, Z値は常に(サ)であるが, 実在する物質の場合には, 分子間力や分子自身の体積効果により, Z値は(サ)からずれる。
下図(image270)に酸素O2, オゾンO3, 水素H2, および水H2OのZの振る舞いを示す。ここでは, 容器A〜Dに, それらの分子が別々に等しい物質量で入っているが, どの容器にどの物質が入っているかは不明である。これらの物質を温度{シ. B90℃, C100℃, D110℃}で圧縮したときのZの変化を示している。下図の左図は, 容器A〜Dに入っている物質の変化, また右図は, 容器AおよびBに入っている物質の高圧下の振る舞いを表している。容器Dに入っている物質では,
圧力 p' においてZ値が急激に変化した。
問1. 上文の(ア)〜(サ)に次の[語句・数]から最も適当なものを選んで入れなさい。
[語句・数] 水素, 共鳴, π, 単, イオン, 小さ, 大き, 1, 0.1, 6.02×1023,
一重, γ, ヘリウム
答
問2. 温度{シ}は何℃ですか。B〜Dから選びなさい。
答
問3. 容器A〜Dに入っている物質を化学式で答えなさい。
答
問4. 容器Dに入っている物質について次の問いに答えなさい。
(1) 圧力を上げていくときに, 圧力p'で何が起きたかを次の語句から選びなさい。
[語句] 蒸発, 融解, 凝縮, 凝固, 昇華 答
(2) 圧力p'は何といいますか。
答