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問1の答
(ア. イオン), (イ. 共鳴), (ウ. 単), (エ. π), (オ. 水素), (カ. 大き),
(キ. 小さ), (ク. 大き), (ケ. 小さ), (コ. 大き), (サ. 1)
●理想気体の挙動
(1) 分子間力がゼロで, いかなる条件下でも液体や固体にならない。
(2) 分子は, 体積がゼロの点とみなし, 完全弾性体である。
(3) 全てのエネルギーは, 運動エネルギーに等しい。
(4) ボイルの法則:一定温度でPV = k(一定), および, シャルルの法則:一定圧力でV/T = k に従う。
したがって, 理想気体の分子は, 自由に運動して, 衝突すると, 運動量を消失することなく, 完全弾性体として挙動する。
●実在気体の挙動
○ 完全気体
実在の気体であっても, ヘリウムや水素の気体, それ以外の気体でも高温で低圧下では, 分子間の平均距離はかなり大きく, 分子間引力や分子の体積の影響は無視され,
理想気体とほぼ同じ挙動を示す…このような気体を完全気体という。完全気体では, 全てのエネルギーは, ほぼ運動エネルギーに相当する。
○ 不完全気体
気体の全体積と比べて分子自身の体積が無視できない。このことは, 分子が自由に動きうる有効な空間の減少を意味する。したがって, 完全気体の状態方程式に含まれる体積は,
V - nbと記述されねばならない。b>0は排除体積とよばれる。
また, 分子間に凝集力の影響が出てくる。
分子が容器の器壁に近いか, または, 衝突していると, 他の容器内部の分子によって内側へ引力を受ける。このため, 分子間に引力が働かない場合に比べて,
気体の圧力は減少する。
この内側に引かれる力の強さは, 器壁の表面層にある分子数νと及びその次の内部層にある分子数νに関連しているとすると, ν2に比例することになる。一定温度でνは, 気体 1mol の体積 V/n に逆比例する。したがって, 分子間凝集力による圧力の補正は(V/n)-2に比例し, a>0を比例定数とすると, an2/V2となる。
以上により, 理想気体(完全気体)の状態方程式の圧力と体積を比較して, 実在の不完全気体の圧力はan2/V2だけ減少し, 体積はnbだけ増加していることになる。式で示すと, 次のようになる。
理想気体(完全気体)…PV = nRT
実在気体…P'V' = nRT ただし, P' = P - an2/V2, V' = V + nb
○ van der Waalsの状態方程式は次のようになる:(P' + an2/V2)(V' - nb) = nRT
○ 気体の圧力…気体分子の壁への衝突による単位面積あたりの運動量変化で表すことができる。
問2の答 B 90℃
● 左図のDの圧力pに対するZ値の変化をみると, p'(1.0×105 Pa≒1.0 atm以下)で急激に圧力降下が示されている。これは凝縮を意味しており, Dは水, p'は水の飽和蒸気圧に相当する。p'は1.0
atm以下から, その温度は90℃になる。もし, p'が1.0 atmならば, 温度は100 ℃(沸点)になる。
問3の答
A:H2, B:O2, C:O3, D:H2O
● 一定温度90℃での圧力pに対するZ値の変化を考慮すると,
A…Z値は, 圧力pが小さい範囲では, 他のB〜Dと比較して, 一定の割合で直線的に1より微増している。このことは, Aの分子間のファンデルワールス引力が小さく,
分子量が小さいことを意味する 。気体分子の体積の影響は, 動き易いく, 大きい。したがって, Z値は, 理想気体に近い挙動を示すが, 1よりわずかに大きくなる。圧力pが大きい範囲では,
気体分子の体積の影響が効いてきて, Z値は増加する。Aは水素H2に相当することになる。
B…Z値は, 圧力pが小さい範囲では, 1より直線的に少し減少する。このことは, Bは, A(水素)に比べて, 分子間のファンデルワールス引力が大きく, 分子量が大きいことを意味する。気体分子の体積の影響は, 動き難く, 小さい。Cも同じような傾向を示すが, Cほど顕著ではない。よって, Cと比較すると, Bは, 分子間のファンデルワールス引力が小さく動き易いことになるので, オゾンO3よりも分子量の小さい酸素O2になる。圧力pが大きい範囲では, 気体分子の体積の影響が効いてきて, Z値は増加する。
C…Z値は, 圧力pが小さい範囲でBと同じ傾向を示すが, その傾向は顕著である。このことは分子間のファンデルワールス引力が大く, 分子量が大きいことを意味し,
オゾンO3がCに相当する。
D…H2O(問2の解答参照)
問4
(1) の答 凝縮
● 凝縮では, 一部の気体が液体になるので, 体積が急激に減少する。
(2) の答 飽和蒸気圧