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問1の答
C
E
ヒント
問題の本文から,
(1) 有機化合物Aはエステル結合存在…-CO-O-
(2) A + 水 → 2B(芳香族化合物) + C(C8H6O4, 芳香族化合物)
(3) C(C8H6O4) (加熱)→ 酸無水物(C8H4O3) + H2O
(4) 芳香族化合物D(C8H10) (酸化)→ C(C8H6O4)
(5) 芳香族化合物E(Dの構造異性体) (濃硫酸, 加熱)→ F(ベンゼン環のH置換…官能基, 構造異性体無し))
(6) F (アルカリ融解)→ (酸で処理)→ B
Cの示性式は,
(2)において, 芳香族化合物からベンゼン環存在。
(3)において, 脱水による生成物の酸無水物(C8H4O3)では-CO-O-CO-の結合存在。
C分子中のベンゼン環のメタ位置に2つのCOOH基存在, Cの分子式C8H6O4を考慮すると
m-C6H4(COOH)2
よって, Cの構造式は,
(image191)
Dの示性式は,
Cの示性式 m-C6H4(COOH)2と(4)のDの分子式C8H10および生成物Cから,
m-C6H4(CH3)2
Fの示性式は,
(5)において, Eの示性式は, Dの構造異性体であるので, o-C6H4(CH3)2またはp-C6H4(CH3)2, 生成物Fには硫酸HO-SO3Hとの脱水反応でベンゼン環に-SO3Hの官能基が結合し, 構造異性体が存在しないことから, p-C6H4(CH3)2のEと反応したことがわかる。よって,
p-C6H3(CH3)2-SO3H
Eの構造式は,
(image192)
Bの示性式は,
Fのp-C6H3(CH3)2-SO3Hと(6)の反応から, 官能基-OHが-SO3Hと入れ替わった。よって,
p-C6H3(CH3)2-OH
以上より, Aの示性式は, (1)からエステル結合-CO-O-を持つこと及び(2)の加水分解を考慮すると,
m-C6H4(CO-O-C6H3(CH3)2)2
問2の答 93g
ヒント
Eと濃硫酸との反応…E + 濃硫酸 → F + 水 において, その反応式は,
C6H4(CH3)2 + H2SO4 → C6H3(CH3)2SO3H + H2O
上式から,
Eの物質量は, 分子量が106なので, 53/106 = 0.5 mol, 生成物Fの物質量も同値の0.5mol
よって, 生成物Fの質量gは, 分子量が186なので,
186×0.5 = 93 g(答)
問3の答 A
(image193)
ヒント
Aの示性式は, 問1のヒントから
m-C6H4(CO-O-C6H3(CH3)2)2