答                                             元の問題へ


問1の答

(ア.電気陰性度) (イ.水素原子) (ウ.水素結合) (エ.濃硫酸またはcon.H2SO4)
(オ.2NaCl + H2SO4 → Na2SO4 + 2HCl )(カ.CaF2 + H2SO4 → CaSO4 + 2HF)


問2

 (1)の答 
 -17 kJ (吸熱)


ヒント
● KCl結晶の溶解熱をQ kJとすると, 熱化学方程式は次のようになる。

          KCl(s) + aq = K+(aq) + Cl-(aq) + QkJ …@

また, 問題で与えられているKおよびClの熱化学方程式は

         K(g) = K+(g) + e- - 418kJ…イオン化
         K(s) = K(g) - 89kJ…昇華
         1/2Cl2(g) = Cl(g) - 122kJ…解離
         Cl(g) + e- = Cl-(g) + 349kJ…電子付加
         K(s) + 1/2Cl2(g) = KCl(s) + 437kJ…生成
         K+(g) + Cl-(g) + aq = K+(aq) + Cl-(aq) + 700kJ…水和


● 化学反応の進行方向は, 反応前後のエネルギーレベルを比較すると, 高い状態から低い状態へ向かう。問題のKClの場合は次のようになる。
          イオンガス→イオン結晶→水溶液
そこで, @式を, 問題で与えられているイオン化, 昇華, 解離, 電子付加, 生成, 水和の熱化学方程式を使って, 最も高い状態のエネルギーレベルのイオンガス状態(基準)に変形するとQは数値化できるので
     Q = {KCl(s) + aq} - {K+(aq) + Cl-(aq)}
      = [{K(s) + 1/2Cl2(g) + aq} - 437] - [{K+(g) + Cl-(g) + aq} - 700]
      = {K(s) + 1/2Cl2(g)} - {K+(g) + Cl-(g)} + 263
      = [{K(g) - 89} + {Cl(g) - 122}] - {K+(g) + Cl-(g)} + 263
      = {K(g) + Cl(g)} - {K+(g) + Cl-(g)} + 52
      = [K+(g) + e- - 418] + [Cl-(g) - e- + 349] - {K+(g) + Cl-(g)} + 52
      = -17kJ(答)


 (2)の答

 KCl結晶の水に対する溶解は, 溶解熱では-17kJで吸熱となり高いエネルギー状態になっているけれども, K+とCl-のイオンの配列の乱雑さがかなり大きくなり吸熱のエネルギーを上まわって安定化するので, 自然に進行する。


問3の答   1.51℃


ヒント

●80℃のKCl飽和水溶液75.7g中に
             水…75.7×{100/(100+51.4)} = 50g
             KCl…75.7 - 50 = 25.7g
この水溶液にさらに水50gを加えた希釈水溶液では, 水…100g KCl…25.7g したがって, 希釈水溶液の質量モル濃度mは, 溶媒1kg中の溶質の物質量molであるので, KClの式量をMとすると
             m = (25.7/M)/0.1 = 257/M [mol/kg]
●希釈水溶液と純粋の水の沸点の温度差冲は, モル沸点上昇をkb [K・kg/mol]とすると
                冲 = kb×(2m) …@
上式で質量モル濃度mを2倍にしているのは, 1molのKClは水溶液中で電離すると:KCl→K+ + Cl-のように2molの働きをすることによる。
よって
                冲 = 103.4 - 100 = 3.4
                 3.4 = kb×(514/M) …A
●80℃のKCl飽和水溶液100g中に
             水…100×{100/(151.4)} = 66.05g
20℃まで冷却すると, 水66.05gに溶解するKClの質量gは
              66.05×(34.2/100) = 22.59 g
したがって, 上澄液の質量gは (66.05 + 22.59) = 88.64 g  この上澄液13.4gには
             水…66.05×(13.4/88.64) = 9.985g
            KCl…22.59×((13.4/88.64) = 3.415g
さらに水20gを加えたので最終の希釈水溶液は
                 水…29.985g
                 KCl…3.415g
●最終の希釈水溶液の冲は@式より
            冲 = kb×{2×(3.415/M)}/(29.985×10-3) …B
A式から             kb/M = 3.4/514
よって, B式は
         冲 = (kb/M)×(2×3.415)}/(29.985×10-3)
           = (3.4/514)×(2×3.415)}/(29.985×10-3) = 1.51℃(答)