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問1の答
G … C18H32O2 H … C18H30O2
●環状構造をもたない3種類の脂肪酸 F, G, Hの示性式は, 炭素原子数 18(実験(3)参照)から, 次のようにする:
F … C17H35-nFCOOH …(1)
G … C17H35-nGCOOH …(2)
H … C17H35-nHCOOH …(3)
●油脂Yの示性式は, 実験(1)と上の脂肪酸の式(1), (2), (3)を考慮すると, 次式が成立する。
C3H5(OCOC17H35-nF)(OCOC17H35-nG)(OCOC17H35-nH) …(4)
油脂Yの分子量は 878 なので, (4)式から, 次式が成立する。
12×(18×3 + 3) + 16×6 + 1×{35×3 - (nF + nG + nH) + 5} = 878
よって,
nF + nG + nH = 12×(18×3 + 3) + 16×6 + 1×(35×3 + 5) - 878 = 890 - 878 = 12
nF + nG + nH = 12 …(5)
●実験(2)から, 脂肪酸Fの組成式は,
C:H:O = (76.6/12):(12.1/1):(11.3/16) = 6.383:12.1:0.706 = 18:34:2
よって, 脂肪酸Fの分子式と示性式は,
C18H34O2
C17H33COOH …(6)
(1)と(6)の式の比較から,
nF = 2 …(7)
(7)から, 脂肪酸Fは, 分子中に二重結合が 1個存在している不飽和脂肪酸であることが分かる。
●実験(3)において, 「同じ飽和脂肪酸を得るためには, 1molの脂肪酸 G に付加する水素量は, 1molの脂肪酸 F に付加する水素量の2倍である」ことから,
脂肪酸Gは, 分子中に二重結合が 2個存在している不飽和脂肪酸であることが分かる。よって, (2)の示性式を参照すると,
nG = 4 …(8)
よって, 脂肪酸Gの分子式は,
G … C18H32O2
●上述の式(5), (7), (8)から,
nH = 6 …(9)
よって, 脂肪酸Hの分子式は,(3)と(9)から,
H … C18H30O2