2章B 類題4-1(110324)               TOP-B


[問題] 次の文を読んで, 問1〜問3に答えなさい。ただし, 原子量は, H=1.00, C=12.0, O=16.0 とする。

 A, B, C, D E の5種類の二糖がある。分子式はいずれも C12H22O11 である。二糖 A, B, C は二つの同じ単糖 X が脱水縮合したもので, 二糖 D, E は2種類の単糖が脱水縮合したものである。二糖 A はアミロースをアミラーゼで, 二糖 B はセルロースをセルラーゼで加水分解したときに生じる。
 α型の単糖 X の構造を図1に示す。図1で[*]をつけた炭素原子を1位として, その隣の炭素原子から順に 2位, 3位, 4位, 5位, 6位と呼ぶ。
 二糖 C は, 環状構造となった二つのα型の単糖 X の1位の炭素原子に結合したヒドロキシ基どうしが脱水縮合したものであり, トレハロースと呼ばれる。
 単糖 X の4位の炭素原子に結合したヒドロキシ基の方向のみが逆になった異性体は, ガラクトースと呼ばれる。二糖 D は, β型のガラクトースの1位の炭素原子に結合したヒドロキシ基と, 単糖 X の4位の炭素原子に結合したヒドロキシ基が脱水縮合したものであり, ラクト―ス(乳糖)と呼ばれ乳中に含まれている。二糖 E は砂糖の主成分であり, α型の単糖 X とフルクトース(果糖)が図2のように脱水縮合したものである。
 単糖 X を酵母によりアルコール発酵させると, (1)式に示すように 1mol の単糖 X からエチルアルコールと二酸化炭素がそれぞれ 2mol ずつ生成する。

  C6H12O6 → 2C2H5OH + 2CO2  …(1)

 @単糖 X が数百個縮合したアミロース 162g を, 酵素反応により単糖 X まで完全に加水分解させた。得られた単糖 X をアルコール発酵させたところ, 反応液全体の重量として 66gの減少が見られた

           (image421)


問1. β型のガラクトースの構造式を, 図1にならって記しなさい。

                             

問2. 二糖の性質について, 以下の問いに答えなさい。

 (1). 二糖 A, B, C, D, E の中から, フェーリング液を還元するものを選び, その記号を記しなさい。

                             

 (2). (1)で選んだ二糖が還元性を示す理由を簡潔に記しなさい。

                             

問3. 下線部@について, アルコール発酵の過程で単糖 X の何%が消費されましたか。有効数字2桁で答えなさい。ただし, アルコール発酵では, (1)式の反応のみが進行するものとする。また, 生成した二酸化炭素は全て空気中に放出され, 反応液の重量減少は, この放出された二酸化炭素のみに起因していると仮定する。