4章A 類題1-1(090701)               TOP-A


[問題] 次文を読んで下の各問いに答えなさい。

原子番号26の鉄は, (ア)体において, 質量数56が91.7%, 57が2.2%存在している。そのほかに質量数52,53,54,55などがある。クラーク数は第4位で, 金属元素としては, (イ)に次いで広く分布している。地球上では遊離して存在することはまれである。
鉄の鉱石はセキテツ鉱(主成分:Fe2O3)やジテツ鉱(主成分:Fe3O4)などがある。砂鉄は粒子状の(ウ)テツ鉱に相当する。
(エ)鉄は, コークスおよび石灰石をセキテツ鉱などの鉄鉱石とともに溶鉱炉に入れ, 空気の高温熱風を送り, 炉底から取り出す。(エ)鉄は多量の炭素のほかにケイ素, リン, 硫黄などの不純物を含む。 (エ)鉄を精錬して炭素鋼や特殊鋼をつくる。
白色で光沢のある展性・延性に富む純鉄は鉄の硫酸塩や塩酸塩を(オ)電解すると得られる。純鉄の結晶にはα,γおよびδの(カ)体があり, αとδは体心立方格子, γは面心立方格子である。α鉄は(キ)温では強磁性で(ク)温では常磁性となる。γとδ鉄は常磁性である。鉄は非常に(ケ)されやすく, 多くの化合物が存在する。

問1. 上文の(ア)〜(ケ)に次の語句から適切なものを選んで入れなさい。


 [語句] 
同素,  同位, 銑, アルミニウム, 溶融, 酸化, 高, ジ, 低, 銅

                  

問2.
ジテツ鉱の主成分であるFe3O4の中に存在するFe2+とFe3+の物質量の比を求めなさい。

                  

問3.
溶鉱炉の中でセキテツ鉱とジテツ鉱の主成分であるFe2O3Fe3O4が一酸化炭素と完全に反応するときの化学反応式を書きなさい。

                   

問4. 質量数53の鉄原子は何個の中性子をもっていますか。

                   

問5. 物質の常磁性と強磁性の違いを説明しなさい。

                   

問6. 特殊鋼の例をひとつあげてその名称を書きなさい。

                   

問7. 鉄化合物は, 大きく2つに分けると, 鉄(II)化合物と鉄(III)化合物になる。鉄(II)化合物と鉄(III)化合物に属する硫酸塩およびカリウムシアノ錯塩を一つずつあげて, その名称と化学式を書きなさい。

                   

問8. 鉄に強酸の濃塩酸と濃硝酸を加えて反応させたときの違いを説明しなさい。

                   

問9. 鉄はアンモニアの工業的合成の1つのハーバー・ボッシュ法で触媒として使われている。触媒の作用を簡潔に説明しなさい。

                  

問10.
0.50gの硫化鉄(II)に塩酸を加えて反応させると腐卵臭気体が発生した。その気体を二酸化硫黄と反応させた。次の(1)と(2)に答えなさい。ただし, 反応は完全に行われ, 答は有効数字2桁, 原子量は Fe=56, S=32, O=16, 気体はすべて理想気体とする。

(1) 腐卵臭気体は標準状態で何リットル生成されましたか。

                  

(2) 二酸化硫黄は酸化還元反応の何剤として作用しましたか。また, 何g反応しましたか。