[問題] 次の文章を読んで, 問1〜4 に答えなさい。
D-グルコース, D-フルクトース(以下 D を省略する), そしてイノシトールの分子式はいずれも C6H12O6 である。しかし, これらの化学構造や性質は互いに大きく異なっている。
結晶状態のグルコースは互いに立体異性体の関係にある 2種類の 6員環構造(α型とβ型の 2種類)をとっている。ところが, 水溶液では上記 2種類の 6員環構造以外にも 1種類の開環鎖状構造を含めた少なくとも 3種類の構造の平衡混合物となる。
結晶状態のフルクトースも 6員環構造をとっているが, 水溶液中では 2種類のβ型環構造(5員環と 6員環)と 1種類の開環鎖状構造を含めた少なくとも 3種類の平衡混合物となる。
イノシトールは上記分子式によって与えられる 6員環 6価アルコールの総称である。ヒドロキシ基の立体配座が異なる多数の異性体が存在し, 自然界において最も豊富な異性体は, myo-イノシトール(図1)である。
問1 α-グルコース(6員環)とβ-フルクトース(6員環)それぞれの構造を図1の表記方法を参考にして書きなさい。
答
問2 グルコースならびにフルクトースは, いずれもフェーリング液と反応して赤褐色の沈殿を生じる。この沈殿物の化学式を書きなさい。また, この沈殿を生じる理由を書きなさい。
答
問3 スクロースはα-グルコース(6員環)とβ-フルクトース(5員環)が縮合した二糖である。スクロース水溶液は本来フェーリング液と反応させても沈殿を生じないが, 希硫酸の中で穏やかに加熱処理した後ならば沈殿を生じるようになる。この理由を書きなさい。一方, myo-イノシトールは希硫酸の中で穏やかに加熱処理した後でも依然として沈殿を生じない。この理由を書きなさい。
答
問4 myo-イノシトールを含めて, イノシトールの異性体は 9種類あり, その中には互いに鏡像異性体(光学異性体)の関係にある2種類が含まれている。図2はmyo-イノシトール以外の4種類の異性体を図示したものである(この中に鏡像異性体の関係にあるものは含まれない)。これら以外の残る 4種類の異性体の構造を図1や図2の表記方法を参考にして書きなさい。
答
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