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問1の答(下図)
(image410)
●「カルボキシル基のメチルエステル化」において, 一般的には, カルボン酸 R1-COOH と アルコール R2-OH の脱水縮合反応で, 次のように, エステルR1-CO-O-R2(エステル結合:-CO-O-)が生成される。
R1-COOH + HO-R2 → R1-CO-O-R2 + H2O
●「ペプチド結合」は, α-アミノ酸中に含まれるカルボキシル基-COOH と アミノ基-NH2 が, 脱水縮合して形成される酸アミド結合-CO-NH-をいう。
R1-CH(NH2)-COOH + H2N-CH(COOH)-R2 → R1-CH(NH2)-CO-NH-CH(COOH)-R2 + H2O
上式はジペプチド生成の例である。ペプチド結合は他の全てのペプチドやタンパク質にも存在する。
問2の答 294
L-フェニルアラニンメチルエステルは, L-フェニルアラニンがメチルエステル化されたものなので, 1分子のL-フェニルアラニン中のOH基(式量:17)
1個が脱離され, メタノール分子中のCH3O基(式量:12 + 3 + 16 = 31)が付加したことになる。
よって, L-フェニルアラニンの分子量 165 から,
L-フェニルアラニンメチルエステルの分子量 : (165 - 17) + 31 = 179
α-L-アスパルチル-L-フェニルアラニンメチルエステル分子 X は, L-アスパラギン酸の分子中のOH基(式量:17)の 1個が脱離され,
L-フェニルアラニンメチルエステル分子の中の水素原子H 1個がとれた基(式量:179 - 1= 178)が付加したことになる。
したがって, X の分子量は, L-アスパラギン酸の分子量は133 であるので,
(133 - 17) + 178 = 294
問3の答 6種類(下の図2参照)
(image411)
問4の答
(ア)メタノール (イ)0.150 (ウ)44.1 (エ)フルクトース (オ)グルコース
(カ)8.72×103
● (ア)において, X + 水 → L-アスパラギン酸 + L-フェニルアラニン + メタノール
HOOC-CH2-CH(NH2)-CO-NH-CH(CH2C6H5)-CO-O-CH3 + 2H2O
→ HOOC-CH2-CH(NH2)-COOH + NH2-CH(CH2C6H5)-COOH + CH3OH …(a)
● (イ)において, メタノールCH3OH の物質量を m (mol) とすると, 分子量は, 12 + 4 + 16 = 32, よって
m = 4.8/32 = 0.15 mol
● (ウ)において, 問4の文中で, 化合物X 1.00 mol のペプチド結合とエステル結合を完全に加水分解すると, L-アスパラギン酸,
L-フェニルアラニン, アルコールがそれぞれ 1.00 mol ずつ生じる((a)式参照)ことより, メタノール 0.15 mol が生じた場合は,
X は同値の 0.15 mol 消費されたことになる。
よって, 問2の答のX の分子量 294を使用して
294×0.15 = 44.1g
● (エ)〜(カ)において, (2章A 類題4-1(082006)参照)
(加水分解) スクロースC12H22O11 + 水H2O → フルクトースC6H12O6 + グルコースC6H12O6
スクロースC12H22O11 の分子量 = 12×12 + 22 + 16×11 = 342
(342×0.15)×170 = 8.721×103 = 8.72×103 g