5章A 類題3-1(110126) TOP-A
[問題] 次の文章を読んで, 問1〜5 に答えなさい。なお, 構造式は下図の例にならって書きなさい。
(image406)
化合物 A, B, C, D, E は, すべて分子式が C4H8O で示される鎖状有機化合物である。以下に示す情報と性質を考慮しながら, それぞれの構造を考えてみよう。
1) 化合物 A〜E はすべてエーテル結合をもっていない。
2) 化合物 A〜E をおだやかに酸化すると, 化合物C だけが酸化されなかった。
3) 化合物 A と E にナトリウムを加えると水素が発生した。
4) 化合物 B と D は銀鏡反応を示した
5) 化合物 A と C はヨードホルム反応を示した。
6) 化合物 B, D, E に対して金属触媒による水素付加反応を行うと, 化合物 B と E からは 1-ブタノ−ルが, 化合物 D からは 1-ブタノ−ルとは異なる第一級アルコール
F が得られた。ただし, カルボニル基が存在した場合, この水素付加反応によってカルボニル基はアルコールにまで還元されるものとする。
すべての化合物は, 分子式 C4H8O の鎖状分子であることから, ( ア )結合もしくはカルボニル基を持っていることが明らかである。また, 2)と 3)の事実は化合物 A と E が( イ )であることを示している。銀鏡反応により( ウ )性のある( エ )基の有無を知ることができるので, 化合物 B と D は( エ )であることがわかる。
化合物 C の官能基の特定には, 2) の事実が重要であり, 結論としては( オ )であると断定できる。なぜならば, (A)分子式 C4H8O を満たす鎖状の第三級アルコールは存在しないからである。
さて, すでに特定された各化合物の官能基を考慮しながら, それぞれの構造を順に考えていこう。
化合物A が( イ )であることと 5)の事実から, その構造は確定できる。
化合物B が( エ )であることと 6)の事実から, その構造が確定する。
化合物C が( オ )であることでその構造は確定するが, その構造は 5)の事実と矛盾しない。
化合物D が( エ )であることと 6)の事実から, その構造が確定するが, 化合物D の構造が決まれば化合物F の構造も決まる。
しかし, 化合物E が( イ )であることと 6)の事実を踏まえても, (B)化合物E の構造を特定することはできない。
問1. 空欄( ア )〜( オ )にあてはまる適切な語句を入れなさい。
答
問2. 文中で構造が確定した化合物 A, B, C, D, F のそれぞれの構造式を書きなさい。
答
問3. 下線部(A)に関して, もし環状構造を許せば, 分子式 C4H8O を満たす第三アルコールは存在しうる。その構造式を書きなさい。
答
問4. 下線部(B)に関して, 化合物Eとして可能な異性体すべての構造式を書きなさい。なお, 幾何異性体は区別するが, 光学異性体は区別しなくてよい。また,
下記のような構造は不安定なので考慮しなくてよい。
R1-C(R2)=C(R3)-OH (R1, R2, R3 はそれぞれ水素もしくはアルキル基を表す)
答
問5. 化合物A〜Dの中から不斉炭素原子をもつものを選び, その構造式を書き, 不斉炭素原子に*印を付記しなさい。
答