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問1の答 (ア) CH3COO- (イ) H+ (ウ) CH3COOH
水溶液の酢酸 CH3COOH は, 次のように, 酢酸イオン CH3COO- と水素イオン H+ とに電離して平衡状態になっている。
CH3COOH ⇄ CH3COO- + H+ …①
問2の答 (オ) [CH3COO-][H+]/[CH3COOH]
電離定数Kaの式は平衡を表す反応式において一般にその右辺の化学種を分子に左辺の化学種を分母に置いてつくる。
問3の答 (エ) 2.8 (カ) 2.6×10-5 mol/L
● ①式において, 平衡状態で 1.6%が電離している。そこで, [H+]は, はじめに酢酸を 0.10 mol/Lの濃度で溶かしたので,
[H+] = 0.10×0.016 = 1.60×10-3 mol/L
よって,
pH = -log[H+] = -log(1.60×10-3) = 3 - log1.60
ここで, log16 = log(1.6×10) = 1 + log1.6 = 1.2, したがって, log1.6 = 0.2, よって,
pH = 3 - log1.60 = 3 - 0.2 = 2.8 …(エ)
● 弱酸である酢酸は, 0.10 mol/L になるように25℃の水に溶かすと, 平衡状態では 1.6%が電離して酢酸イオン CH3COO- と水素イオン H+ になり, 残りの98.4%は電離せず酢酸分子 CH3COOH のままである。よって,
[CH3COOH] = 0.10×0.984 = 9.84×10-2 mol/L
[H+] = [CH3COO-] = 1.60×10-3 mol/L
よって, 電離定数Kaは,
Ka = [CH3COO-][H+]/[CH3COOH] = (1.60×10-3)2/(9.84×10-2)
= 2.6×10-5 mol/L …(カ)
問4の答 pKa = pH - log10{[CH3COO-]/[CH3COOH]}
電離定数Kaは,
Ka = [CH3COO-][H+]/[CH3COOH]
よって,
pKa = -logKa = - log[H+] - {log[CH3COO-]/[CH3COOH]}
= pH - log{[CH3COO-]/[CH3COOH]}
問5の答 (ク) 等しい
問4の答から,
pKa = pH - log10{[CH3COO-]/[CH3COOH]}
ここで, 弱酸である酢酸は25℃の水に溶かすと, pKa ≒4.6 である。25℃のこのpKa ≒4.6は, 平衡状態により, はじめの水に溶かす酢酸濃度には無関係で変化しないが, それに対して, pHの値は, はじめの水に溶かす酢酸濃度に依存する。
いま, 25℃の酢酸水溶液で, pH = 4.6 になるように, 酢酸を溶かすと, 次式が成立する。
4.6 = 4.6 - log10{[CH3COO-]/[CH3COOH]}
よって,
0 = log10{[CH3COO-]/[CH3COOH]}
よって,
[CH3COO-]/[CH3COOH] = 1
以上から, pH = 4.6 の酢酸水溶液中で, 酢酸イオンの濃度と酢酸の濃度とが等しいことを意味する。
このことより, 酸や塩基の性質を示す電解質の有機化合物水溶液において, その解離したイオン濃度と解離しない濃度が等しくなるように調整したときのpKa の値は, 酸の強さを表す指標 pH と等しくなるので, そのpKaは酸の強さを表す指標として用いられることがある。