3章A 類題3-1(0080811) TOP-A
[問題].次の本文を読んで, 問1〜5に答えなさい。答の数値は有効数字3桁とする。
計算のために必要があれば, 次の値を用いる。原子量:H=1, C=12, O=16, K=39, I=127
カルボン酸は分子中に(ア)基をもつ有機酸で, (ア)基の数に応じて1価, 2価,…の酸が存在する。蟻(アリ)の毒液中のギ酸, 食酢中の酢酸, 酸性高分子電解質の原料であるアクリル酸は(イ)価, スイバなどの細胞液に含まれるシュウ酸やナイロンの出発物質であるアジピン酸は(ウ)価の酸に属する。幾何異性体の関係にあるマレイン酸とフマル酸も(ウ)価のカルボン酸である。
乳酸菌の発酵作用で糖類から生成される乳酸, オレンジの果汁に含まれるクエン酸, ブドウ液中の酒石酸などは(ア)基以外に(エ)基が結合しているカルボン酸である。
カルボン酸に属する脂肪酸は一般式:R-COOHであらわされ, (オ)式状の炭化水素基 R に(イ)個の(ア)基が結合している(イ)価の有機酸に相当する。とくにR基中の炭素数の多いものを(カ)脂肪酸という。R基には飽和と不飽和のものがある。例として, パルミチン酸, オレイン酸, リノール酸, ステアリン酸などがある。動植物では(キ)エステルの油脂として広く分布し, 動物の(ク)や植物の(ケ)の成分として産出する。
問1.上の本文の(ア)〜(ケ)に下の[語句・数]から最も適合したものを1つ選択して書き入れなさい。
[語句・数] ヒドロキシル, 高級, .カルボキシル, 2, 植物油, 鎖, グリセリン, 脂肪, 1, 3
答
問2. 次の[化学式]の名称を上の本文を参考にして( )に書き入れなさい。
[化学式]
CH3CH(OH)-COOH( ), trans HOOCCHCHCOOH( ), C17H31-COOH( ),
HOOC-CH2C(OH)(COOH)CH2-COOH( ), C17H33-COOH( ),
C15H31-COOH( ), H-COOH( ), HOOC-(CH2)4-COOH( ),
C17H35-COOH( ), CH3-COOH( ), HOOC-COOH( ), CH2CHCOOH( ),
cis HOOCCHCHCOOH( ), HOOC-CH(OH)CH(OH)-COOH( )
答
問3. 問2の化学式の中から脂肪酸を選んで飽和と不飽和の脂肪酸に分けなさい。
答
問4. 次の(1)〜(9)の性質に相当するカルボン酸を下の[化学式]から選びなさい。
(1) ヨウ素の付加反応が生じる。
(2) メチルオレンジ水溶液を加えると水溶液が赤色になり弱い酸性を示す。
(3) フェーリング液を入れ加熱すると赤色沈澱Cu2Oを生じる。
(4) 炭酸水素ナトリウム水溶液を加えると二酸化炭素が発生する。
(5) ナトリウム塩の水溶液に塩酸を加えると白濁する。
(6) 加熱すると無水カルボン酸を生成する。
(7) 不斉炭素原子をもち光学異性体が存在する。
(8) けん化するとグリセリンと一緒に生じる。このカルボン酸を水素付加させると沸点が上昇する。
(9) エタノールと濃硫酸の溶液を加え加熱するとリンゴのような果実のかおりが生じる。
[化学式] C15H31-COOH, H-COOH, CH3-COOH, C17H31-COOH, CH3CH(OH)-COOH,
HOOCCHCHCOOH
答
問5. 油脂の混合物Yに水酸化カリウム水溶液を加え完全にけん化した。生成された脂肪酸のカリウム塩をとりだし分析したところ, 2種の脂肪酸AとBが検出され分子量は256と280であった。けん化価とヨウ素価は193.91と147.54であった。下の問い(1)〜(4)に答えなさい。
(1) 10g のA, Bをそれぞれ完全燃焼したとき, 二酸化炭素と水の質量は次のようになった。AとBの分子式を書きなさい。
A:二酸化炭素 27.50g, 水 11.25g B:二酸化炭素 28.29g, 水 10.29g
答
(2) 脂肪酸AとBは油脂の混合物Yにそれぞれ何%含まれていますか。 答
(3) 油脂の混合物Yに含まれる油脂の可能な構造式を全て書きなさい。 答
(4) 1kgの油脂Yにニッケル触媒を使って水素を付加させ硬化油(マーガリン)をつくった。水素は標準状態で少なくとも何g必要ですか。
答