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問1の答

(ア.打ち消す)(イ.ルシャトリエ)(ウ.減らし)(エ.減少)(オ.左)(カ.)(キ.増加)(ク.[N2O4]/[NO2]2)(ケ.反応)


ヒント
可逆反応で化学平衡が次式のようなとき: 
                       aA + bB ⇔ cC + dD 
             (ただし, A, B, C, Dは物質の化学式, a, b, c, dは係数を表わす)
いま正反応を左辺→右辺とすると, 平衡定数Kは, [A]aと[B]bを分母に, [C]cと[D]dを分子にもってきて次の式とする(質量作用の法則)。
                      K = {[C]c[D]d}/{[A]a[B]b}
ただし, [ ]はモル濃度を表わす。 電離してイオンを生じている場合は, 特にKを電離定数という(001 1章 ●A国立大入試○類題1-1, [ステップ問題2]1参照)。


問2の答

赤褐色気体NO2と無色気体N2O4の平衡状態の混合気体は, 外部から圧力をかけると, ルシャトリエの原理によりその圧力を打ち消す方向, いいかえると, 赤褐色気体NO2の分子数を減らして無色気体N2O4の分子数を増やす方向に平衡は移動する。したがって, 混合気体の色において赤褐色が徐々にうすくなり無色に近づいていく。


問3の答    57.2 kJ


ヒント
NO2(気)とN2O4(気)の生成熱は-33.2 kJ, -9.20 kJ  よって, その熱化学方程式は次のようになる。
               (1/2)N2(気) + O2(気) = NO2(気) - 33.2 kJ  …(1)
                 N2(気) + 2O2(気) = N2O4(気) - 9.20 kJ  …(2)
元の問題中の②式における反応熱Qは次式のように変形できる。
               Q = 2NO2(気) - N2O4(気) …(3)
したがって, (3)式に(1)と(2)式を代入すると
  Q = 2NO2(気) - N2O4(気) = 2{(1/2)N2(気) + O2(気) + 33.2} - {N2(気) + 2O2(気) + 9.20}
    = 2×33.2 - 9.20 = 57.2 kJ


問4の答   「右辺から左辺へ」


ヒント

平衡状態①において,
              2NO2(気) ⇄ N2O4(気) …①
平衡は, 圧力を一定に保ったまま温度を上昇させると, 元の問題中の熱化学方程式②の反応熱はプラスの57.2 kJなので,
            2NO2(気) = N2O4(気) + 57.2 kJ …②
温度上昇を打ち消す方向, ②式の「右辺から左辺へ」…吸熱方向に移動する。


問5


(1)の答    N2:0.675 mol  NO2:0.300 mol  N2O4:0.375 mol



ヒント

[実験2]の状態1において, 平衡定数Kは25.0 (mol/L)-1, 二酸化窒素のモル濃度は5.00×10-2 mol/Lであることから, 次式が成立する。
              K = [N2O4]/[NO2]2 = [N2O4]/(5.00×10-2)2 = 25.0
よって,
              [N2O4] = 25×(5.00×10-2)2 = 0.0625 mol/L
したがって, 図2の状態1のシリンダー内に含まれるNO2とN2O4の物質量[mol] は, m1, m2 とすると,
        m1 = (5.00×10-2)×6 = 0.300 mol   m2 = 0.0625×6 = 0.375 mol
N2の物質量m3は, 図1と2の状態1において, 体積, 圧力, 温度が同一であることから
                     m3 = m1 + m2 = 0.675 mol


(2)の答    0.593 mol


ヒント

[実験2]状態2の混合気体の物質量をn [mol]とすると, 気体の状態方程式から
                        p2×0.878V = nRT …(1)
[実験1]状態2の窒素において, 気体の状態方程式から
                       p2×V = 0.675×RT …(2)
(1), (2)から
                  n = (p2×0.878V)×0.675/(p2×V) = 0.593 mol


(3)の答   NO2:0.136 mol  N2O4:0.457 mol 平衡定数:24.7 (mol/L)-1


ヒント

[実験2]において状態1から2へ移行したとき, 増加したN2O4の物質量を a [mol]とすると, 状態2の平衡状態では, NO2とN2O4の物質量mol は次のようになる。
                   
                  (0.300 - 2a)  (0.375 + a)
したがって, 状態2の平衡状態のNO2とN2O4のあわせた全物質量mol は
                   (0.300 - 2a) + (0.375 + a) = 0.675 - a
(2)の答から
                       0.675 - a = 0.593
よって
                        a = 0.082mol
NO2の物質量mol
                       0.300 - 2a = 0.136 mol
N2O4の物質量mol
                       0.375 + a = 0.457 mol

                  平衡定数K = 0.457/(0.136)2 = 24.7 (mol/L)-1

平衡定数値24.7は四捨五入すると, 前の状態1の値25と一致する。このことは, 「平衡定数Kは温度一定ならば一定値を示す」ことを意味する。