2章A 類題3-1(082006) TOP-A
[問題] 有機化合物 A, B がる。この2つの有機化合物の物理的性質と化学的性質は次のようになった。下の各問いに答えなさい。必要ならば, 原子量 H:1, C:12, O:16およびナフタレンのモル凝固点降下Kf:6.90 [K・kg/mol]を使用する。
[物理的性質]
(1) ナフタレン10 g に, Aを244mg, Bを366mgを溶かして凝固点降下度Δt を測定すると,
Aは1.38K, Bは2.07Kであった。
(2) AとBの分子中に不斉炭素原子の存在を調べるために比旋光度測定などの実験をした。その結果として,
Aには不斉炭素原子がありBにはないことが分かった。
(3) A, Bともにその水溶液は電気を通さなかった。
[化学的性質]
(1) 適当量のAとBにそれぞれ活性炭素を混合させて純粋のアルゴン気体中で高温加熱すると,
一酸化炭素が生じた。
(2) 305mgのAと183mgのBを酸素中で完全燃焼させると, Aの場合には二酸化炭素が880mg,
水が225mg, Bの場合には二酸化炭素が528mg, 水が135mg生じた。
(3) AとBはリトマス紙と反応しなかった。
(4) AとBを金属ナトリウムと反応させると, 水素が発生した。
(5) AとBにそれぞれ濃硫酸を加えて加熱すると, いずれも分子内脱水が生じてスチレンが生成した。
問1.AとBの分子量を求めなさい。 答1
問2. AとBの分子式を書きなさい。 答2
問3. AとBの構造式を例にならって書きなさい。また, 構造的に, AとBはどのような関係ですか。 答3
[例] image137
問4. AとBの名称を書きなさい。 答4
問5. A, Bの化学的性質について記述してある次文の(1)〜(15)に下の語句・式から最も適したものを書き入れなさい。
塩基性水溶液にヨウ素を反応させると, (1)は(2)の(3)色沈殿を生じる。その反応式は次のようになる。
(4) + 3I2 + 4NaOH → (5) + C6H5COONa + 3NaI + 3H2O
(6)は反応しない。
ニクロム酸カリウムの希硫酸溶液加えて加熱すると, 酸化されて(1)は(7)を生じる。反応式で書くと,
3(4) + (8) → 3(9) + (10)
(6)は(11)酸を生じ, 反応式で書くと,
3(12) + (13) → 3(14) + (15)
[語句・式]
C6H5CH2CH2OH, Cr2(SO4)3 + K2SO4 + 4H2O, CHI3, B, ケトン, K2Cr2O7 + 4H2SO4, CHI3, C6H5COCH3, 黄, Cr2(SO4)3 + K2SO4 + 7H2O, カルボン, A, 2K2Cr2O7 + 8H2SO4, C6H5CH2COOH, C6H5CH(OH)CH3, 2Cr2(SO4)3 + 2K2SO4 + 11H2O, ヨードホルム, 黒
答5