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問1の答21( ② )g
●1 塩化鉄(III) FeCl3 水溶液に十分な量のアンモニア水を加えると, 次の反応式のように褐色の水酸化鉄(III) Fe(OH)3 が沈殿する。
FeCl3 + 3NH3 + 3H2O → Fe(OH)3 + 3NH4Cl …(i)
沈殿物の水酸化鉄(III) Fe(OH)3 を加熱すると, 脱水されて粉末の酸化鉄(III) Fe2O3 が得られる。
2Fe(OH)3 → Fe2O3 + 3H2O …(ii)
(i)と(ii)から, 1 mol の塩化鉄(III) FeCl3 から 1/2 mol の酸化鉄(III) Fe2O3 が得られることが分かる。
●2 0.40 mol/L の塩化鉄(III) FeCl3 水溶液 20 mL には, 塩化鉄(III) FeCl3 の物質量 NFeCl3 (mol) は,
NFeCl3 = 0.40×(20/1000) = 8.0×10-3 (mol)
よって, 酸化鉄(III) Fe2O3 の物質量 NFe2O3 (mol) は, ●1から 1 mol の塩化鉄(III) FeCl3 から 1/2 mol の酸化鉄(III) Fe2O3 が得られるので,
NFe2O3 = (1/2)NFeCl3 = 4.0×10-3 (mol)
●3 生成される酸化鉄(III) Fe2O3 の質量 W (g) は, 式量 2×56 + 3×16 = 160 から,
W = 160×(4.0×10-3) = 0.64 (g)
問2
a の答22( ① )
● 塩素の実験室での製法は, 普通, 黒色固体の酸化マンガン(IV)に塩酸を加えて加熱する。その酸化還元の反応式は,
4HCl + MnO2 → MnCl2 + 2H2O + Cl2
ここで, 加熱するために, 不純物として水蒸気や塩化水素が気体の塩素と共に混合する。水蒸気や塩化水素を除くために水や濃硫酸の入った洗気びんを使用する。工業的製法は,
食塩水や融解食塩の電気分解で行われる。
● 水酸化ナトリウム水溶液と塩化アンモニウムの加熱反応において, 次の反応式のようにアンモニア気体が発生する。
NaOH + NH4Cl → NaCl + H2O + NH3
● 濃硫酸と塩化ナトリウムの加熱反応において, 次の反応式のように塩化水素気体が発生する。
H2SO4 + NaCl → NaHSO4 + HCl
● 濃塩酸と亜鉛の反応において, 次の反応式のように水素気体が発生する。
Zn + 2HCl → ZnCl2 + H2
b の答23( ② )
● 塩素は, 室温では, 窒息性臭気をもつ黄緑色気体, 密度(気体, 1atm, 0℃) 約 3.2g/L, 沸点 -34.07℃, 水に対する溶解度(気体
25℃, 1atm) 約 6.4g/L. 一方, 空気の密度(気体, 1atm, 0℃)約 1.3g/L.
● 塩素は, 空気の密度と比較すると, 3.2/1.3 = 約 2.5倍で, かなり空気より重いことが分かる。また, 水に対する溶解は, 溶解度を考慮すると, 無視できない。このことから下方置換が最もよい。