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問1の答 2. アンモニア水
[説明]
少量のアンモニア水を加えると, Cu2+, Fe3+の両方とも水酸化物になり沈殿する。
Cu2+ + 2NH3 + 2H2O → Cu(OH)2 + 2NH4+
Fe3+ + 3NH3 + 3H2O → Fe(OH)3 + 3NH4+
更に過剰のアンモニア水を加えると, Cu2+の水酸化物は錯イオンのテトラアンミン銅(II)イオンを形成して溶ける。
Cu(OH)2 + + 2NH4+ + 2NH3 → [Cu(NH3)4]2+ + 2H2O
Fe3+の水酸化物はそのまま沈殿状態で残る。したがって, Cu2+とFe3+を分離することができる。
一方, 1.の水酸化ナトリウム水溶液を加えると, Cu2+, Fe3+の両方とも水酸化物になり沈殿する。
Cu2+ + 2NaOH → Cu(OH)2 + 2Na+
Fe3+ + 3NaOH → Fe(OH)3 + 3Na+
問2の答
1(b:アンモニア水を加える又はg:水酸化ナトリウム水溶液を加える)
2(g:水酸化ナトリウム水溶液を加える又はb:アンモニア水を加える)
3(a:希硝酸を加える)
4(b:アンモニア水を加える)
5(a:希硝酸を加える)
6(e:過剰のアンモニア水を加える)
7(d:加熱する)
8(a:希硝酸を加える)
9(f:水素で還元する)
10(c:酸素で酸化する)
11(a:希硝酸を加える)
問3の答
[説明]
●鉄の小片では, イオン化傾向において, Fe>Cu のため酸化還元反応が生じる。
電子授受の観点から, 水溶液の中のCu2+は, 酸化剤として作用して鉄の小片表面のFeから電子を受け取りその表面にCu
の薄膜を生じる:Cu2+ + 2e- → Cu 水溶液の中で青色を示すCu2+は減少するので水溶液の青色がうすくなる。
同時に還元剤として作用する鉄の小片表面のFeは陽イオンのFe2+になり溶液中へ溶け出す:Fe → Fe2+ + 2e-
●一方, 銀の小片では, イオン化傾向において, Cu>Ag のため変化は生じない。
ヒント
イオン化傾向…金属陽イオンMn+を含む水溶液に金属Mを入れると次の平衡状態が生じる。
M ⇔ M n+ + ne-
そのとき, 各金属Mにおいて, M n+の生じ易さの傾向いわゆるイオン化傾向が存在する。この大小は定量的に標準電極電位の値で決められる。おもな金属のイオン化傾向の順序は次のようになる。
K>Ca>Na>Mg>Al>Zn>Fe>Ni>Sn>Pb>(H)>Cu>Hg>Ag>Pt>Au